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Tales of Vesperia
追われてる理由
そう思った瞬間にバレた。

「何者だ!」

「バレた!?」

「さっさと終わらせる!」

「同感!」

ユーリとミレイはそう言うと、襲ってきた騎士に向かって攻撃した。

「蒼破っ!」

「焔よ!ファイアボール!」

「ぐはっ!」

二人の連携によって騎士は倒れる。

「私の出る幕ないじゃん!」

「いや、咄嗟だったもんで」

「反応が遅かっただけじゃないの?」

「あ、それひどい」

ミレイの何気無く言った一言で少し傷つきました。

何て言うのは嘘で。

とりあえず先に進もうと階段をのぼっていた私たちですが、のぼりきった所でユーリが止めた。

その先のホールから、女性と騎士の声がする。

「もう、お戻りください」

「今は戻れませんっ!」

「これはあなたのためなのですよ」

先に進もうとした私をユーリは自分の方に抑えつける。

「シヴィ…」

「ちょっとだけ…」

ユーリの力は凄く強かったけど、少しだけ力を緩めて見せてくれた。

髪の色はピンク色で、後ろにひとつに結んでいた。綺麗なドレスに身を包んでいる。

「例の件につきましては、我々が責任を持って小隊長に伝えておきますので」

「そう言って、あなた方は、何もしてくれなかったではありませんか」

ひゅんっと空気を裂く音がした。

私はその音にびっくりしてユーリにしがみつく。

ユーリは赤面しながら、しがみついた私を抱き締めるとちらりと様子を伺う。

その女性は二人の騎士に剣先を向けていた。

「それ以上、近づかないでください」

「お止めになられたほうが……お怪我をなさいますよ」

「………」

ミレイは黙ってそのホールを見つめていた。

女性は尚も言う。

「剣の扱いは心得ています」

ひゅんっと音を立てて剣をふった。

その音にびくっと震える私を、ユーリは尚更強く抱き締める。

優しいもんね、ユーリは。

「致し方ありませんね。手荒な真似はしたくありませんでしたが」

騎士の一人が剣を抜く。それに続いてもう一人も剣を抜き、構えた。

それでも女性は顔色ひとつ変えずに騎士たちを見据える。

「おい、いたぞ!こっちだ!!」

「お願いします!行かせてください!どうしても、フレンに伝えなければならないことが!」

「……(フレンだって?)」

ユーリは私を後ろに下げると、即座に剣を抜いて走ってきた騎士に向かって技を食らわした。

「てあっ!」

「うわあっ!」
「なっ!?」

騎士たちはその場で倒れた。

「フレン…!?私を助けに……」

女性はその技が飛んできた方向へと走る。

私たちがいる、ここに。

(…どうしよう、脱獄したのバレちゃうよ…)

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あきゅろす。
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