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Tales of Vesperia
脱獄開始
「おっと」

おっさんはユーリの前でしゃがみこんだ。

「騎士団長直々なんて、おっさん、何者だよ」

「……女神像の下」

おっさんはそう言うと、シュッと何かを滑り込ませた。

「何をしている」

「はいはい、ただいま行きますって」

アレクセイが私たちの前を通ろうとした。

「…アレクセイ騎士団長…」

「…シヴィリアか、どうしてこんな所にいる」

「キュモール隊長が…」

「…そうか」

アレクセイは服の中から鍵を取りだし、私に渡してきた。

「脱獄の事は気にするな、私が取り消そう」

「あ、ありがとうございます」

私は鍵を受け取ると、アレクセイにお辞儀した。

「いや…」

そう言ってアレクセイは牢屋から出ていく。

「………」

「………?」

おっさんは私をじっと見ると、何かを隠すように牢屋から出ていった。

アレクセイたちが出ていって数分立った。

「さて…と」

ガチャガチャとユーリの所から音がする。

そして、キィッと音がして扉が開いた。

「ユーリ」

ユーリは私の持っていた鍵を受け取ると、私たちの扉も開けた。

「ありがと」

「ありがとう、ユーリ」

「どういたしまして。とりあえず下町の様子を見に行くぞ、そんで朝までにはここに戻る」

「また戻るの!?意味ないじゃない!」

ミレイはユーリに小さめの声で怒鳴る。

「脱獄の罪をつけられるからな」

「…だったらさっさと行くよ!」

「はいはい」

そう言ってユーリたちは歩き始めた。

「ユーリ!とりあえず、武器見つけなきゃ!」

私はユーリの後を追って走る。

その途中に、居眠りしてる騎士を発見。

武器は牢屋の入り口のそばにある宝箱みたいな物の中だった。

「あった」

「私のも。ミレイは?」

「私はここ」

そう言ってミレイは左のスカートを少し捲った。

左の太ももの中心あたりに、短剣をしまうベルトが巻かれていた。

確かにそこには短剣がしまってあったが、ユーリは顔を赤くして目をそらす。

「よく見つからなかったよね。…ユーリ?」

「い、いや、なんでもない」

そして私たちはただいま脱獄中?でして。

牢屋から出ると騎士がウロウロしてる。

まぁ城の中だし、それがあたりまえっていうか。

とりあえず、見つからないように慎重に。

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あきゅろす。
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