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天使の梯子をのぼったら
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 視界には一面の青空と、長いまつげを伏せた甲斐の顔。
 足元は空の上という不安定な場所で、絶対逃げられない。
 ずるい! こんな場所で不意打ちみたいに、いきなり……

 舌先で下唇を撫でて、甲斐は目を開けた。

「ふふ、甘い。真っ赤。可愛い穂稀」

「……っ!っ!……」

 前言撤回。
 天使は天使でも、こいつのそばは危険極まりない!
 さっき『物事には順序がある』とか言ってただろうが!?

「僕の名前はカイル……穂稀が生まれた時から、守護している者、と言えばいいかな。だから穂稀は、僕から離れることはできないんだよ」

「守護霊とか守護神とか、本人の前に出てきちゃいけないんじゃないの……まして好きとか、アリ?」

「あれ? けっこう知ってるね?」

 なんか一言で誤魔化された気もする。

「そういうわけで、僕は今後も穂稀から離れることはないから。そういうことでよろしく」

 よろしく、って……。
 俺の選択権はもう死んでいるんだろうか。








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あきゅろす。
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