short
今日も君は/ほのぼの
「先生、トイレ行ってきて良いですか」
そういっていつも授業中苗字は途中で抜ける。
先生もみんなも、帰ってこないのを気にする奴はいなかった。
俺を除いては。
「先生、」と言って今日も苗字は教室を出て行く。
いつも気になっていたので今日は思い切って俺も抜けてみようと思った。
「先生、腹痛いんでトイレ行ってきます」
先生は無理すんなよ、と
あっさりokしてくれた。
出て行くときに水谷のニヤニヤした顔が目にはいった。
後で覚えてろよ。
教室を出てすぐの階段に苗字は座っていた。
「苗字」
「あ、花井!」
「何やってんだよ、いっつも」
「ん−空見てたよ」
空なんて教室からでも見れるだろ、と言った俺の言葉に苗字は首を横に振った。
「違うよ花井。
これはね、教室を抜け出して見るから良いの」
誰もいなく、静かな所に意味があると苗字は言う。
「花井もさ、抜けてきたんでしょ?」
だったら、
一緒に空を見ませんか。
君からの素敵な素敵な、サボリのお誘い!
next→
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!