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暁高校コメディ物語
1日目
ここは私立暁高等学校の体育館。
現在始業式中です。

「え〜ですので、え〜怪我の無いように、え〜新しい学
校生活を、え〜楽しんでいただきたいと、え〜思ってい
ます。」

これはうちの学校の校長だ。
もうかれこれ一時間は喋っている。
普通に喋れば十分で終わる話なのだが、
校長は『え〜』が多く、しかも内容を忘れまくるので、
時間は6倍に跳ね上がっている。
生徒からしたらいい迷惑である。

「なぁ、凶牙。気分悪いって言ったらこの話すぐに終わ
るかな・・・」

「そうだな。仮病だとわかったら大変だが、それでもや
るというなら俺は止めないぞ。」

「・・・わかった。せんせ・・」

「バキッ」

これは俺の友達である大樹だ。
本当に実行しようとしたので黙らせました。
え?方法?
・・・フフ

「痛いよ凶牙!何でいきなりムガムガ・・・」

「この馬鹿大樹!そんなでかい声出したら怒られるだろ
うが!」

「ムガ・・・息が・・・」

「おう、すまん・・・て、あれ?なんか白目向いてない
?」

「・・・」

「大樹?」

「・・・返事が無い。ただの屍のようだ。」

「・・・もう一発殴っていいのかな?」

「やめて!?」

とりあえず生きていたので俺は大樹を無視する方向で行
くことにした。

「え〜なので、え〜気をつけてください。」

「以上。校長先生のお話でした。礼!」

心なしか教頭も疲れているように感じた始業式は無事に
終り、
皆それぞれの教室へと戻っていった。

「・・・」

「ねぇ凶牙、凶牙」

「・・・」

「ねぇってば!」

「何だよ・・・」

「何だっけ・・・」

「殺すぞテメェ!俺は今最高に不機嫌なんだよ!」

そう。実は今日、学校に来たときから俺は不機嫌だった

その元凶はこの阿呆だ。

「そもそも!何でお前と同じクラスなんだよ!そして何
で暁という絶対に出席番号一番の苗字の俺と!山村とい
う絶対に後ろのほうの出席番号の苗字のお前が隣の席な
んだよ!マジいみわかんねぇ!」

「そんなカリカリしないでさ、キャンディでも食べなよ
。」

「何でキャンディなんだよ!子供か、お前は!せめてボ
ケるなら煮干とかにしろ!」

「そんなこといったって・・・煮干なんて持ってないし
・・・」

「だから!そこで俺が何で煮干持ってんだよ!的な突込
みをして、笑いが生まれるんだろうが!」

「フフフ・・・凶牙はわかってないなぁ。ボケというの
はね、人工的に発生させたものよりも、天然で発生して
しまったものにつっこむほうが面白いんだよ。」

「う・・」

「二人とも何を言い争ってるんですか?」

「あ?」

「あ、愛香ちゃんだ。」

「お前は何で俺の後ろの席なんだ!」

「友達に交換してもらっちゃいました

「・・・はぁ。」

「やった!じゃあ俺は愛香ちゃんに勉強教えてもらう!


「やめとけ大樹。愛香は勉強は得意だが教えるのは苦手
だぞ。」

「そうなのか!?残念だ・・・」

「えと・・・すいません。」

「いいんだよ愛香は謝らなくても。アホの大樹がアホの
中のアホですくいようも無いくらいアホだからいけない
んだ。」

「そんなアホアホいうな!」

「しょうがないだろ。アホなんだから。」

「む〜」

「えと、大樹さんはアホですけど優しいですし・・・良
い人ですよ?」

「はぅ!?愛香ちゃんもそう思ってたのか・・・俺、も
う駄目かも・・・」

「愛香・・・フォローになってないぞ・・・」

「え!?えと・・その・・・・アホでもアホなりに努力
してるって言うか・・・その・・・」

「もういい。愛香。それ以上喋るな。じゃないと大樹が
自殺する。」

窓を開けてぶつぶつ言ってる大樹を指で示してやる。

「ほぇ?あっ!駄目です!ここは三階です!落ちても足
骨折とかで済んでしまう可能性もあるので、後で苦しい
ですよ!確実にいくなら5階以上じゃないと!!」

「やめろ!愛香!それ以上喋んないで!本当に5階まで行
くつもりだ!」

「え!?」

「愛香はついてこないで!これ以上大樹を追い詰めない
でくれ!」

「え・・・」

その後、どうにか大樹を引きとめ、戻ってきたときには
HRは終わっていて、
初日にサボったということで、自宅謹慎の処分を下され
た。
最悪の始まりの日だった。


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あきゅろす。
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