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それは暇潰しから始まった
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転校初日のことだ。
高校2年生が始まったその日帰り際、俺はとんでもないことを言われた。

「おい、お前宮本裕一だよな。お前にお願いがあるんだけど」

お願い、というわりには高圧的な態度だった。

玄関で靴を履こうとしていた俺は、声のするほうへ顔を向ける。

……ああ、こいつ確か。

同じクラスの……名前は分からないけれど、顔はよく覚えている。

目立っていた。

くっきりとした二重に長いまつ毛、すっと通った鼻筋、発色のいい赤い唇、それがよく栄える白い肌。

今日初めてみた顔だが、よく覚えている。綺麗な顔だな、と思ったからかもしれない。

そんな奴が一体俺に何を。

何も言わずに俺が見つめていたからか、男は痺れをきらしたように話し出した。

「あのさ、俺と付き合ってほしいんだよね」

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あきゅろす。
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