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分断された海の片隅で:隻眼ヲ級の証言/Emily's Report ZERO若しくは序章
百一隻大和強襲事変
 その島国での嘗ての同盟国であったアメリカへの、時代錯誤とも採れる憎悪は煽られて行き、遂に「意識と感覚を敢えてリンクさせた百隻の大和型艦娘と五隻の随伴艦娘による三式弾を使った艦砲射撃で西海岸を地域住民ごと焼き払う」事を目的とする作戦が立案・実行に移される迄に至ってしまう。

 アメリカはそれに対して戦艦、引いては艦砲射撃の有終の美を飾ったアイオワ級を始めとする米国艦船モチーフとした試作艤装を身に纏った12人の救国の乙女達「オリジナル12(トゥエルブ)」全員と支援の為の投入可能な限りの補助艦艇を投入。
 ここに初の艦娘同士の、望まれる事なき戦い、後に「百一隻大和強襲事変」と呼ばれる事になる戦いが幕を上げた。

 その最中、百隻(人)の大和型を一隻(人)の艦娘と錯覚させる為のリンクが切断される。
 その海域は百隻(人)以上の艦娘が居ると認識出来る在るべき状態となり、そこへこれ迄に無い数の深海棲艦が殺到する。

 リンクを切断され、即製状態の練度しか無い百隻の大和型一番艦型艦娘(※即ち大和(艦これ))達は一人、また一人と成す術無く水底へと沈められて行く。

 最終的に生き残れたのは約二割、かの島国へと帰れたのは更にその半数と四隻の随伴艦娘達となった。

 一方のアメリカは「オリジナル12(トゥエルブ)」側も自らは満身創痍、且つ自分達が差し伸べた手を大和(艦これ)達が拒み、振り払いながら轟沈して行くのを見せ付けられながらも生き残った大和(艦これ)達の残りの約半数と随伴艦娘の内の一人を救出・保護するに成功する。
 しかし、それと引き換えに殿を務めた先進艤装技術検証試験型の方のエンタープライズ艦娘一名がMIAと認定される。

 こうして「百一隻大和襲撃事変」は幕を閉じ、それから幾ばくかの時が流れる事となった。

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