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明土第七七四集積地鎮守府にて:第二部
(第×次)AL/MI作戦・EO:赤城
2###年(着任三年目)##月(秋下旬)##日:南太平洋・M海域・明土第七七四集積地鎮守府


 霜川提督と明土第七七四集積地鎮守府所属決戦艦隊の面々が各々の理由を以て決して職務放棄しなかった、或いは(再び)甲勲章の呪いに囚われたとおぼしき他の明け土鎮守府方式の鎮守府と共に迎撃任務に就く中、再健が進む明土第七七四集積地鎮守府の空母艦娘寮の一室では赤城(艦これ)(南雲・沙織)はその艤装を明土鎮守府方式仕様に変えてからは見る事の無かった艤装の由来となった空母赤城の記憶とも呼べる夢を見る様になる。
 まるで本土の従来型の艤装の様に記憶を上書きせんとするが如く……。
 日に日に強くなる、そして嘗ての大規模作戦で同じ事を経験している彼女は思案の末、霜川提督に嘗ての大規模作戦の時と同じ様に嘗てのミッドウェー作戦の時の正規空母赤城の記憶と思われる夢を見る様になった事、そして嘗ての大規模作戦の時は自分だけでなく程度の差こそあれど他の赤城(艦これ)も同じ様な夢を見ていた事を告げる。
 その上で再び振り返したであろう艤装の無念を晴らし、近年本土の仕様で見受けられるその大規模作戦の由来となる海戦に因縁のある戦闘艦艇由来の艦娘由来の艤装の対深海棲艦攻撃力の上昇現象、所謂特効艦を明土鎮守府方式でも使える様にする為の情報を得る為にも自らを艦隊の揮艦にする様に霜川提督に具申する赤城(艦これ)(南雲・沙織)。
 霜川提督は意見を一旦保留として高雄(艦これ)41457816に他の明土鎮守府方式の鎮守府の動向を調べる様要請する。
 その結果、高雄(艦これ)41457816から迎撃任務に参加している他の明土鎮守府方式の鎮守府でも同じ様な報告が成されている事を聞いた霜川提督は赤城(艦これ)(南雲・沙織)を艦隊旗艦へと編入して最後の一押しの為の出撃へと向かう。

 そして固有結界が晴れて水平線に日が射す中、他の鎮守府の艦隊の赤城(艦これ)と共に出せる限りの艦載機を繰り出し、EOの最後の一押しを完遂する赤城(艦これ)(南雲・沙織)。
 夜明けの光をその身に受けながら赤城(艦これ)(南雲・沙織)は自身の心の中から何か憑き物が落ちて行く感覚を実感して行く中、同じ海域を担当した他の鎮守府の艦隊からの通信に我に返る。
 各々の艦隊を見ると、一方は最も公的な印象に近い所謂「芋が満ち足りている」顔付きの赤城(艦これ)、もう一方は嘗て製作された作戦記録を元にしたPVに出てきた方に近い海外艦娘にも引けを取らない美貌を持つ赤城(艦これ)が各々の艦隊の旗艦を努めていた。

 「何時の日にか何処かの合同演習で。」
 「同じ赤城の艤装を身に纏う者として、お二方と所属なさっている鎮守府の皆様に御武運を。」
 「有り難うございます、お二方の安航を御祈りすると共に御縁がありましたらまたお会いしたいと思います。」

 各々の艦隊の旗艦を勤めている赤城(艦これ)からの通信に赤城(艦これ)(南雲・沙織)も通信を返す。
 そして朝日が登り行く中、各艦隊は各々の鎮守府へと帰還すべく離れて行く。
 こうして明土第七七四集積地鎮守府を含めた明け土鎮守府方式の各鎮守府による(第×次)AL/MI作戦は終了した。


 この時の明土第七七四集積地鎮守府が担当した海域を含めた複数の海域での赤城(艦これ)を始めとするAL/MI作戦の由来となった一般的にはミッドウェー海戦の名で知られる海戦に縁の有る戦闘艦艇由来の艤装の艦娘による戦闘情報は、「明土鎮守府方式でも大規模作戦では艤装が抱える由来となった戦闘艦艇の(無)念は必要以上に抑制するよりは適度に解放して対深海棲艦戦闘能力を向上させた方が良い」と判断された。
 それは明土鎮守府方式にも次の大規模作戦から対深海棲艦攻撃力上昇効果、通称特効艦が実装されて行く事へと繋がって行く。

 しかし良い事ばかりでは無かった。
 今回のEOに纏わる決して少なくない数の鎮守府による(何がしかの理由を付けての)作戦従事拒否は、深海棲艦の出現頻度の低下を受けての軍縮を兼ねた鎮守府数の整理を横須賀鎮守府の作戦本部に決断させる。
 また同じ頃に従来の運営方式の各鎮守府による発狂一歩手前レベルの鎮守府間友軍艦隊に対する拒絶反応から、作戦本部主催の催し事の内容を提督達を集める事から地域や施設と連携した地域振興型の祭りへの方針転換が計られて行った事も付記しておく。

 そしてその作戦本部の決断は明土第七七四集積地鎮守府の着任四年目以降の鎮守府運営に多大な影響を及ぼして行く事となると同時に霜川提督にある決断を迫る事となったのである。

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あきゅろす。
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