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comune schiena
7 chapter 8
―アズミ視点


「別に良いじゃない」
「嫌ですよ。部活終わって疲れてるんです」

午前中で終わった部活の休日練習。
何故か校門で押し問答を繰り返す友人と雲雀さんに遭遇した。
というか俺、雲雀さんに初遭遇じゃん。

「あこちゃん…これって一体どんな状況?」
「あ。アズミ、部活お疲れ様」
「ちょっと、まだ話終わってないよ」
「あのですねぇ…」

二人の会話を掻い摘まんでまとめると、俺と帰る約束はしていないし、今日はこのまま早く帰って買い物にでも行こうと思っていた友人は、その矢先偶然にも学校に来ていた雲雀さんに遭遇。
丁度良いとばかりに書類整理を手伝うように言われたが、それをずっと断り続けていた。という訳らしい。


「はぁ、もういい。今日は止めておく。…でも、今度手伝ってもらうから」
「しませんって。第一、私は風紀委員じゃないんで」

やっと諦めてくれたみたいだ。雲雀さんは校舎に入って行った。


「………帰る?」
「うん」

結局二人で帰る事になった。

「あー、雲雀さんってすごい頑固」
「あこちゃん達、いつからあそこにいたの?」
「たぶん二十分くらい」
「うっわぁ…どんまい。
あ、そうだ!今日ツナの家に遊び行くんだけど、あこちゃんも来る?」
「いつの間にそんなに仲良くなったの。
私は行かないよ。絶対無事に帰れそうにないし」
「それ考え過ぎだってー。
ツナと一緒に宿題するんだけどさ……ついでに教えて?
リボーンに教えてもらうのは、ちょっと…」

実のところ教えてもらう必要はないんだけど、リボーンに万が一間違えてる所を発見された時が恐い。誰だって予防線くらい張りたいのだ
あこちゃんは俺の意図に何となく察しがついてるのか、ため息をついて頷いてくれた。

「リボーンは相当厳しそうだもんね。まぁ…いいよ」
「まじで!?」
「うん。でも先に買い物に行かなきゃいま冷蔵庫空っぽだからさ、後から行くね。
だからツナの家の場所教えて」
「わかった。あこちゃんありがとう!はぁー、まじで助かった〜」
「はいはい」

とりあえず家までの行き方を教えて、俺とあこちゃんは別れた。




「お邪魔します!」
「いらっしゃーい!つー君は自分の部屋にいるわ。
これからお勉強会するんですって?後でお茶とお菓子持ってくるわね」
「ありがとうございます。
あと一人、自分の友達が来ますんで」
「あら、そうなの?教えてくれてありがとうね」

初めてツナの家に来て緊張していたけど、奈々さんの笑顔のお陰で少し柔らいだ。
俺はそのまま2階へ通された。

「ツナ勉強頑張ってる〜?」
「藤岡!いらっしゃい」
「ちゃおっす」
「うーわー、扱かれてるねぇ」

リボーンに勉強を習ってたツナは、もう既に疲れきった顔をしている。部屋に入った途端に香る火薬の匂いについてはあえて触れないようにした。

「あ、そうだ。あこちゃんも呼んだけどよかった?」
「ええぇぇ!如月さんも来るの!?」
「俺の勉強見てもらおうと思ってさ。リボーンから教えてもらうのは…ちょっと、ねー…あはは」

「そ、そうなんだ。俺は別に良いけど……
(いいなぁ。リボーン間違えたらすぐ爆発させるし…。あーでも如月さんの事、俺あんまり知らないからちょっと気まずいかも…)」
「その肝心のあこはどうした?」
「先に買い物行くって。場所教えてるから、後から来ると思うよ」
「そういや、そろそろ食料尽きる頃だったな」
「「え゙?なんで知ってんの!?」」

リボーンの発言に、俺とツナが驚く。

「(もしかしてあこちゃんよくリボーンと会ってんの!?
えぇー、どんな会話してんのかすっげー気になるんですけど!)」

友人のプライベートが気になってしまった。

「と、とりあえず勉強始めようか」
「そうだね…」

疑問はそのままにして、俺も加わって勉強会は再開した。






「がははははっ!」
「ん?」
「今、外から声が…」

ときどき爆発が起きながらも勉強会は滞りなく進んでいたが、突然外から聞こえてきた笑い声に、俺とツナは一旦手を止めて窓の外へ顔を向けた。

「(この笑い声って…)」

もの凄ぉーく嫌な予感がする。というより、もう確信はしていた。
そして窓の外にいたのは、木の枝に仁王立ちして牛柄の洋服を来た子供――…

「(やっぱりランボだったーーーー!!)」

"絶対無事に帰れない"

俺の頭の中に、此処へ来る前に言っていた友人の言葉が浮かんだ。


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あきゅろす。
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