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comune schiena
1 chapter 6
あこ視点


体育をサボる事にした私は廊下を徘徊していた。アズミ達には保健室って言ったけど、後々考えたら保健室…

すっごく危険地帯な気がする(なにかを察知)


という訳で保健室は諦めるとして、さて何処でサボろう。授業中ずっとうろうろしてる訳にはいかないし…。

「(そういえばこの学校って、屋上開放されてたよね)
よーし、屋上に決定〜」

元の世界で通っていた学校の屋上は立入禁止だった。軽快に階段を上り、屋上の扉を開けた。

「おお…。良いじゃん」

天気も良いし、風だって気持ち良い。まさに絶好の昼寝場所だ。思わず自分の口元が緩んだ

「あ!授業見れる」

声のする方に近付いてみるとグラウンドから試合を観ることができた。
しばらく柵に寄り掛かって野球の試合を観ていたが…――

「もう無理。やっぱり寝よ」

こんな気持ち良い場所に居て、眠気が訪れない訳がなく。私は試合観戦は早々に諦めて寝るのを優先した。


そして、試合の歓声をBGMに私の意識が落ち始めた頃、突然屋上の扉が開いた。

「(あー…誰だろ)」

日差しが暖かい。
ぼんやりした頭で考える。

「(駄目だ。頭が全く働かない…)」
「ワオ、こんなところで何してるの?」
「ファッ!?!?」

聞こえた声に体が飛び上がった。それと同時に絶望感がやってくる。

「君この前の……如月だったよね」
「……ど、どうもー。
(覚えてて下さってるなんてトッテモウレシイナー)」

雲雀さんが屋上にやって来るとは予想外だ!!(いや、あり得なくもない…のか?)

「サボりかい?」
「ええ、まあ…。今の授業は人(主にファンクラブ)が特にうるさいですし、あんまり授業にもなりそうになかったので…」
「騒がしいの駄目なの?」
「駄目というか、静かな方が好きです」
「ふーん…」

雲雀さんは興味無さそうに相槌を打つと、私から少し離れた場所で寝転んでしまった。

「……サボってる事、怒らないんですか?」

トンファーが飛んでくると覚悟して少し身構えてたんだけど。

「咬み殺されたかったの?」
「いいえ。全然。全く。一ミリも」 
「なら良いじゃない。僕は今から寝るから、出て行く時にでも起こしてよ」
「え、まじですか?
…って、ちょっと待ってください。それだと私が寝れないじゃないですか!
(あ、やばい。眠すぎてつい本音が)」
「気にする所ってソコ?
君…、他人から変わってるって言われない?」
「そうですか?えぇー…」

自分はそれなりに常識があってある程度空気も読める至って普通の人間だと思うけど。
ただ現状眠気にずっと襲われてるだけで。

「今の流れで僕にそんな事言うのは、まず普通じゃないからね。
まぁいいや、おやすみ」
「えっ!?
(雲雀さんに普通について説かれた。
…って、え?本気で寝ちゃうの??
雲雀さんって、ちょっとの音でも目が覚めるんじゃなかったっけ)」

少しすると寝息が聞こえてきた。
本当に寝たようだ。

「………(ひ、雲雀さんの寝顔かなり見たい)」

今の状況は、柵に寄り掛かっている私。と私に背を向けて寝ている雲雀さん。
頑張って覗けば顔が見れる、けど―…

「(止しておこう…、雲雀さん起きそうだし。

眺めてたらはなぢ出す自信がある)」

声を押し殺す事もまず出来ないだろう。そしたら晴れて私は雲雀さん公認のヤバいヤツである。(嫌すぎる)
しばらくはぼーっとしていたが、することがないのでついに眠気の限界がやってきて、私はそのまま微睡みに身を委ねてしまっていた。




「……ねぇ、いい加減起きたら?」

ふたたび意識が浮上した頃には、既に傾いている太陽。私はかなりの時間此処で寝てたらしい。

「(やばいなー…寝過ごしたよ)」
「もしかして、今日遅刻しそうになった理由って寝坊?」


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あきゅろす。
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