comune schiena 1 chapter 4 chapter 3. あこがテレビを見ながら寛いでいると、来客を知らせるインターホンが鳴った。 「???(玄関から?) ………はい」 「ちゃおっす。俺だ」 「え、リボーン!?」 蛇足だが、このマンションはセキュリティがしっかりしており、来客を報せるインターホンには2つある。 1つは一階のロビーに設置されているもので、来客を受けた住民が扉の解除をしない限りマンション内に入ることはできない仕様になっている。もう1つは各玄関に取り付けられているものである。 つまり最低でも2回インターホンが鳴るはずが、なぜか今回玄関のみである。 「(あんまり深く突っ込まないほうが良い気がする…。リボーンだし。それに前みたいに窓から唐突に来られるよりはマシ、なはず…) あー、何か飲む?」 「コーヒー。砂糖は勿論いらねえぞ」 「わかった。ん〜…ちょっと待ってて」 以前リボーンが来たときに出したコーヒーは彼の好みに沿わなかったらしく、後日あこの元にお勧めのコーヒー豆(販売してる店の住所が書かれたメモ付き)が届けられた。 「もう少ししたらツナのファミリーが一人増えるぞ」 「へぇ、どんな人?」 「スモーキン・ボム…名前は"獄寺隼人"だったな」 「ボムって、爆弾だよね? これはまた面倒そうな人が来るなぁ…近付かないでおこう (町内の爆発音がさらに多くなりそう…)」 「関わってもらうぞ?その方が面白そうだからな」 「絶っ対嫌だ。アズミだけにしてよ」 「アズミは強制だ」 「そ、そうなんだ…。 でも私、アズミと違って沢田君と接点全く無いけど。(つか避けてたし) …そもそもファミリーに入る気無いし」 実は何度かリボーンに勧誘されていたが、あこは全て断っている。 「チッ……無理には入れねぇよ」 「(舌打ちしやがった…) できればそのまま諦めてくれると良いんだけど。 だいたい、私なんてこれと言って役に立つ訳じゃないし。アズミは?」 「あいつは俺の下僕だ。拒否権なんて、最初からねぇに決まってんだろ」 「アズミ、哀れすぎる。 (私には関係ないから良いけど)」 「あこは、とりあえず俺のサポート役に任命する。待遇の良さに感謝しろよ」 「えぇー……。どうせそれは拒否出来ないんでしょう?」 「まぁな」 あこが脱力気味に言うと、リボーンはニヤリと笑った。 「あまり厄介過ぎるようなら、私全力で関わらないならね?」 あこは念のため釘を刺しておくが、リボーンのことだから守る筈ないと内心諦めることにした。 「…――イタリアから来た獄寺隼人君だ」 教室が騒がしい。その原因は、教壇に立っている転校生にあった。 『容姿端麗』 目付きはすこぶる悪く恐い印象を与えるが、それでもクラスの女子大半が彼に心奪われた。山本とはまた別のかっこ良さがある。 「(リボーン…今日来るなんて聞いてないんですけどぉ)」 リボーンと獄寺の話をしたのは昨日。唐突の展開にあこは顔をしかめた。 「(俺もあんな風に制服着崩したかったなぁ…。スカートって嫌いなんだよ)」 何故か、脈絡の無い事を考えるアズミ。 実はアズミは用意されていた並盛中の制服のスカートの短さに驚愕し、女子の制服着用を入学式前夜ギリギリまで拒んでいたのだ。 教室の生徒から注目を浴びるなか、獄寺の目がある一点に留まった。 その視線の先には――"沢田綱吉"… 綱吉の方も視線に気付きかなり動揺している。 獄寺は視線を外さないまま担任の話を無視し綱吉の席まで行くと、いきなり机を蹴り飛ばした。 水を打ったように静かになる教室。突然の事に綱吉も硬直してしまっていた。 「(ツナびびっちゃってるじゃん。大丈夫かぁ〜?)」 ツナの心配をするあこ。それとは反対に、あこは我関せずと欠伸をひとつしてから机に突っ伏した。 そして綱吉後ろの席になった獄寺は、その後も四六時中綱吉を睨みつけていた。 「あこちゃん」 「…何?」 休み時間。寝ていたあこを起こしに来たアズミ。 「獄寺来たねー。 ずっと睨まれてるけど、ツナ大丈夫かなぁ」 「………さあ?」 「あこちゃん、何だかもうどうでも良いやーって感じだね」 「実際どうでも良いやーって思ってるからね。近付きたくないし」 「まぁ俺も。でもツナかなり可哀相じゃね?」 あっさりとあこに同意するアズミだが、やはり気に掛かるのか何度も見るので、釣られてあこも綱吉へと視線を向けた。 「別に?何とも思わないけど」 「俺、あこちゃんのその非道さを尊敬するよ」 「非道って…。私にだって同情する心くらいあるし」 「はいはい、ソウデスネー」 何やらブツブツとあこは言ってるが、アズミはスルーした。 「だいたい、後で解決するから気にしなくて良いじゃん」 「それもそうだね」 最終的に勝手に話が進んでくれると二人は結論付けて、次の授業の準備に戻った。 この後、リボーンから緊急召集が掛かると知らずに―― . [次へ#] |