Seasonable
difference
最初に出会って3日目。
最初に会話して2日目。
今日も進は土手へ向かう予定だ。
「なんか進さん。あれから元気ですね。
よく笑うようになりましたね」
「あぁ、なんか作りと自然の区別がつかなくなってきたぞ」
という津村と山辺のやりとりに、"普段の進"ならば気にも留めずにいるはずが、
「何話してんだ?お前ら」
と進が離しに入る。
周りのみんなはいつもと違う進に驚きを隠せない様子で、朝すれ違う人も驚いた様子の顔で振り返っていた。
進はもちろんそんなことは気に留めていない。
「いやぁ。なんでもないっすよ。
ね、先輩」
「ふうん。そうか」
進は頷く津村を見て、教室を見回すと、
相変わらず女子に囲まれる紅の姿が見えた。
「紅クン・・・明日ヒマ?」
「ダメだよ!明日は私が誘おうと思ってたの」
そんな黄色い声が飛び交っている。
(アイツが"太陽"なら、当然断るはずだ)
「みなさん。ケンカはよくないですよ?」
紅のひと言に女子たちは少し静かになった。
とは言っても単に紅の言葉に耳を傾けただけだが。
「それに明日はちょっと用事がありますので」
周りを見渡しながら、進の期待通り断った。
少し安心した進だった。
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