9:1な彼
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「だからここのXに、この値を代入して…」
俯いた角度から見える眼鏡越しの長い睫。
「それで、ここの値がわかるから、次に…」
唇は、ちょっとぽってりしてて、白雪姫のように紅い。
「で、…って、おい。」
そして、そして、なんと言っても肌理〈きめ〉細やかな色白のお肌!!もう、最高です!!
「おい!!聞いてんのか!?ショウ!!」
「あへ!?」
ハッと気を戻すと、目の前には端正な顔の祐希〈ゆうき〉さんが、すごい形相でこちらを見ていた。
いかん、いかん。祐希さんの綺麗な顔に見とれすぎて、話を聞いていなかった。しかも変な声まで出てしまった。しかし、そんな顔で睨まれたとしても、俺はあなたにメロメロです!!
「ショウ、お前さ、ホントにやる気あるわけ?」
怒りを通り越したのか、呆れ顔の祐希さん。そんな顔も素敵です!!
「また別のこと考えてるだろ!!」
「痛い!!痛いよ!!」
いきなり左耳を思いっきり引っ張られて、無理やりにでも意識を取り戻される。痛すぎて涙が出てきた。
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