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Title-story
1.初雪


※同学年・学パロという暴挙です。
 殿下、お許し下さい。













「おや?」

「どうしたの?……わぁ、雪…。」


やけに冷えると思った矢先、視界の端をちらついた純白の結晶が頬を掠め、鋭い冷たさを覚えた。
空は冬特有の厚い雲に覆われていて、眺めているだけで寒さがぶり返しそうにさえ感じる。

隣を歩いていた幼馴染の、自分とは似ても似つかない大切な、大切な彼が小躍りで前へ一歩踏み出した。


「そういえば今年の初雪じゃない? シュナイゼル。」

「まぁ、今夜は一番の冷え込みだと気象予報士が言っていたからね。」


1月の下旬だと云うのに、目の前で元気にはしゃぐ彼はマフラー一枚しか防寒具を身に纏っていない。
そのマフラーだって、学校から出る際にシュナイゼルが気を利かせて貸した物に過ぎない。

体育会系で、スポーツクラブを幾つも梯子して各部門の賞を総嘗めにするだけあって、身体も丈夫に出来ているらしいから平気なのかもしれないが、見ている方が心配してしまう。


ましてや、何年も連れだって隣に立ってきた自分なら、なおさらのこと。


栗色の癖髪が跳ねる度に、胸に宿った長年の熱い想いが膨らんでいくのを感じる。

手堅い幼馴染なんていう地位を手にしていながら、それでは満足できないまでに成長した、この想い。


「ねぇ、シュナイゼル。
良かったらこの後、勉強見てくれないかな?
これ以上赤点を取ったら破門するって、藤堂先生が昨日に電話して来たんだ。」


此方の気も知らないで、彼は申し訳なさそうに肩を竦めてお願い事をした。
15センチ以上もある身長差の違いで、上目遣いの視線から。


翡翠色の大粒の瞳に映し出された自分の貌は、誰もが憧れ羨む造形を誇ったまま。
生まれてから欠かした事の無い微笑みも伴って。


「スザクは勉強と肌が合わないからね。
 真面目に予習も復習もしているし、授業だってサボった事も無いのに。」

「うっ…それを言われると……。」

元気に雪を見ていた姿がピシリと固まり、お願いしますと頭を下げる。

赤点、破門、補習、追試、嫌だ助けて、なんて言葉さえ聞こえて来そうな後頭部を見せるから、結局また頷いてしまう事になるんだろう。


満足できないと思っていた、幼馴染という地位を使って。


「…さぁ、とにかく私か君の家に行こう。
 今日みたいな寒い日に、このままじゃ風邪をひいてしまう。」

「良いの!? よかったぁ……ありがとう、助かるよシュナイゼル…!!」


寒さを口実に少しばかり荒れた彼の手を取って、そのまま自らの大きな手で包み込んで暖を分けるふりをして握る。


嬉しそうな頭二つ分低い位置にある栗色の髪を優しく梳いて、やはり冷たくなっている繋いだその手をコートのポケットの中へと仕舞う。


その行為の意味も分からず「温かいね」なんて笑いながら言うものだから、思わず黒ずんだ雪空を見上げて苦笑してしまった。





















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あまりお題を活かせていません…。

けれどこれからです!頑張ります!!



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