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Shot-story
ある雨の日に 現代パロ




※パロディです
 ちょっとスザクがナイーブちゃんです
















『ちょっと〜!?
 今日は大事なミーティングがあるって言ってたじゃな〜い〜!?
 何でプロジェクト責任者のキミが来ないワケ〜!!』

「あぁ、済まないロイド。
 多分今日は休んでしまいそうだ、皆には悪いがプレゼンは延期するよ。」

『多分!?
ねぇキミ自分のコトでしょ!?
多分じゃダメだって、困るんだったら〜!!』




情けない声が耳を突いて、煩わしくなって通話を乱雑に切る。

再度掛かってくると面倒なので電源まで落とし、携帯電話をポケットへ仕舞って腕を組む。



優雅に駅の椅子に腰を下ろした紫苑の眼差しは、ある学生だけに注がれていた。




















針のように細くて鋭い雨雫が降り注ぐ。


屋根の無い線路に電車が滑り込み、幾筋もの水痕を伝わせる。


その様子を何となく見送っては拳を握り締める、1人の青年。

ただ立ち尽くすその肩は、電車がホームに流れる瞬間に揺れていた。




青年の名前は、枢木スザクと云った。

親は政界の人間、通っている高校は有名私立アッシュフォード学園で、去年の春にスポーツ推薦で入学した。


それなりに友達もいたし、幼馴染のルルーシュや彼の妹ナナリーもいて、孤独ではなかった。

生徒会の風紀委員を務め、多くの部活を掛け持ちして周囲に頼られる存在でもあり、恵まれた生活を送っていると自分でも思う。




けれど、スザクはもう何時間も其処に立ったままだった。


朝の始発から、正午過ぎの現在までずっと。




虚ろな瞳が線路を力無く映し、時折思い出したように瞬きをゆっくりと繰り返す。



既に学校は始業しているし、先程から通学鞄の中にある携帯電話が震えっ放しだ。

恐らくルルーシュかリヴァルのどちらかだろうとは思うが、もう誰の声も聞きたくなかった。



『……特急が、2番ホームに参ります。
 この電車はこの駅を通過します。危険ですので、白線の内側へ…………』



警告を促す合成の声は何処か遠い。

入学を機に与えられたイタリア製の革鞄を強く握り締めて、スザクは瞼を閉じる。



近付く電車の車輪の音、駅全体に響く警鐘、震える手から鞄が滑り落ち、重く鈍い音がする。



「…どうでも良いよ、もう。」



力無く笑って、スザクは大きく一歩白線から踏み出した。

線路と車輪が擦れる高音を聞きながら、ただ楽になれる事だけを考えて身を乗り出したのだ。








ぐっと上腕を掴まれ、最後の歩みが足りなくなった。


「―――――――!!」



咄嗟の事で言葉は出なかったが、目の前を高速で通過する特急電車の側面を目の当たりにして、息を呑む。


ゴトンゴトンと、先程落とした鞄とは比べ物にならないくらい大きな音に吐息が震えた。



巨大な物体が過ぎ去り、後に残った空間には侘しさが漂っていた。



「………どうして、なんて野暮な事は訊かないよ。」


頭上から甘く低い声がする。


恐らく投身を妨げた張本人だろうとあまり働かない頭で考え、ぎこちない動きで振り返った。



見上げた先には、見事なプラチナブロンドの髪と、アメジストの瞳があった。



綺麗な人だった。

本当に綺麗な人だった。



「………うちに来るかい?」


驚くほど軽く問う彼に、スザクもやはり驚くほど軽く頷いていた。










それが、最初。













――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



この後、家に行ったらルルーシュの邸宅で、会った相手がルルーシュの兄貴だって分かるんでしょうけど続きません(笑

先日の大雨で滾って書き殴ってしまった産物です。


反省はしていません、でもちょっと後悔はしています(笑



自己満足ですが楽しかったです。

ここまで読んで下さりありがとうございました!(^−^)

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あきゅろす。
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