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Short/Story
これ以上。


何度も何度も、かけた部分を作り直して。
傷ついた部分を修復して。
そうやって、強くしてきたつもりだった。


けれど穴は穴のまま。
傷は、傷のまま。
剥がれ落ちてきた修復の跡を拾い集めてももう、きっと。










たとえばお互いに余裕のないときだってある。

仕事がたまってただとか、昔の仲間と何かあっただとか、大事な人を亡くしただとか。

そういう時の喧嘩は、これまでだって何度もあった。


けれど、きっと最近のコレはそうじゃなくて。

お互いがお互いにヤキモキしているんだと思う。

なぜ自分の言いたいことを解ってくれないのか。
なぜ自分の気持ちを汲んでくれないのか。
なぜ。


考えるのは自分のことばかりだ。
それはあいつも、自分も。
だから自分勝手に苛立って、自分勝手に距離を取っている。


この溝を、埋められない。


想ってはいる。
きっと、お互いに。
それでも。




苛立って振り払われた手。

言葉の端々の棘。

言いつかれた「ごめん」の言葉。

思い通りに行かない会話。

思い通りになれない自分。




一時的なものならよかった。
また楽しい日々があるのなら。



けれどこんなのが数回合うごとに繰り返される。
想ってるのに、会うのが億劫になっている自分を悲しいと思う。
きっとそれは、相手も同じで。



何度もぶつかって、何度も修復したと思っていた穴は、
修復されていたんじゃなくて、そこにあることに慣れてしまっていただけ。

何度もすれちがって、何度も治しきたはずの傷は、
今となってはもう、治る時間さえもなくて。







今 目の前に居る君を抱きしめれば愛しく思うのに、

これ以上一緒に居られない。

今日もまた、別れの言葉をどちらからも切り出せないまま、

夜が、明けていく。










あの日消えた面影をごまかすように
違う匂いのする体を抱く。


あの日開いた穴は閉じないまま。
相変わらず うつろなまま。








―*―*―*―*―*―*―*―*―

銀でも土でも取れるように書いてみました。

しかし山なし、落ちなし、意味なし。
なのにぜんぜんBLっぽくない・・・。
こんなのアップしてどうすんだって感じですが、
書いちゃったのでUPします。
暗いしね・・・気分によっては下げます。

さ、次はあまーいの書くぞー!!


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