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只今僕は米俵のように担がれています。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
…死の鐘?(1校時開始のチャイムです)
あ、無遅刻無欠席が!!
皆勤賞狙ってたのに…
(現実逃避)
あー、僕の人生の終着点はどこでしょうか。
やっぱり展開的に屋上ですかね?
不良のたまり場〜
………。
集団リンチフラグ!?
やっぱりまだ死にたくないぃぃ!!
「どこに行くんですか!?」
死の恐怖が関谷さんへの恐怖感を上回ったために、僕の口から常にない程スラスラと言葉が出てくる。
担がれているために関谷さんの表情をうかがうことができないのも要因の1つだろう。
「降ろしてください!」
何も言わずにどんどん進んでいく。
でも、どう考えても上に向かっていますが…
もう屋上しかないじゃないですか!?
パニックがピークになった僕は支離滅裂なことをいろいろ喋っていたが、何をいっても僕を離してはくれなかった。
バァァンッ!!
そして無情にもドアは開かれた。
僕の目の前に広がったのは青い空に白い雲ではなく、屋上の扉と屋上のコンクリート。
俵担ぎだから後ろ向きなんで見えません。
え、何が?って?
それはもちろん!
「「「おはようございます!!関矢さん!!!」」」
僕の後方にいる何人もの不良さんに決まってるじゃないですかぁぁぁ!!
「あぁ」
関矢さんも不良さん達の挨拶に軽く返す。
誰も俵担ぎにされている僕の存在にふれてこない。
存在感なくてよかった!
なんて安心したのもつかの間だった。
「なんスか、そいつ?」
気付かれた!?
いつもは僕の存在になんて気付かないのに、なんでこういう時ばっかり!
どうやら不良Aさん(仮)は関矢さんに問い掛けたようだ。声が疑問に充ちている。
「…」
しかし、関矢さんは答えない。
そんな態度はよくあることなのか、不良さん達は気にした様子もなく口々に話し出す。
「ボコるんスかね?」
「リンチ久々じゃねぇ!?」
「ヤッホーイ!!」
「ストレス解消!」
皆さん。殺る気満々ですね…
そんな中ゆっくり僕は地面に降ろされた。
…ってえ!?
せ、関矢さん!?なんで今降ろすんですか!!
やっと降ろしてもらえたのに嬉しくないんですけど。…振り返りたくない。
僕は不良さん達に背中を向けたまま。目の前にいる関矢さんも不良さん達も恐くて地面を見つめることしかできない。
恐怖で足も動かない。
「おい!!テメェーみてぇーなキモい野郎が関矢さん見てンじゃねーよ!」
そんな僕の肩を引っ張り、無理矢理振り返らせる不良Aさん。
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