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私立水晶華学園


そう思ったら、直ぐに先生はドアから出てきた。

「こ、ここ、こっち!」

大きい声を出し俺達に向かって手招きをする。

俺達は顔を見合わせると、苦笑して足を進めた。















俺達が通された部屋には三人の先生がいた。

一人はさっき俊足を披露してくれた小さく目の大きい可愛いらしい先生。

二人目は目の前で足を組んで踏ん反り返っている天パホスト。

三人目は…机に突っ伏して寝ている…


「は、はじめまして!僕は3−Sの担任の松木です。よろしくね」

頬をピンク色に染めてはにかみながらそう挨拶をしてくれた先生には好感が持てた。

三人でよろしくお願いしますと返事を返す。

3−Sということは雷のクラスの担任の先生ということだ。松木先生は寝ている先生を起こし、俺と霄に目の前に座っている先生達が二人の担任の先生だよ。と言って、俺達に申し訳なさそうな顔をしていたが、俺が大丈夫だと伝えると、心配そうな顔をしつつ雷を連れて部屋を出て行った。

雷のクラスの先生はいい先生だなと安心した俺は松木先生と行きたくなさそうな雷を見送った。


…問題は後の二人だ。
俺は視線を前に戻す。

「…すみません、寝てしまっていました」

霄の前で突っ伏して寝ていた先生が軽く頭を下げた。
顔を上げたときに見えた顔は、大丈夫ですか!?っと思わず聞きそうになる顔をしていた。

顔の造りはかなりいいが、十中八九人目をひくのは顔立ちより、目の下にある濃い隈だろう。

「…隈、お前、大丈夫か」
「…大丈夫ですよ。ありがとうございます」

いい子ですねと微笑む先生から目をそらす霄。

お前呼ばわりに怒らないどころか、心配した霄に対してお礼を言う先生を初めてみた。

[before??][after!!]

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あきゅろす。
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