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私立水晶華学園




俺は部屋を出て寮の食堂に俺達を案内しようとしてくれていた燈眞を止めて、一緒に部屋で昼食を取るように進めた。


「じゃあ、持ってこさせるか」


そう言って燈眞は電話を手に取ろうとする。


「ストップ!」


受話器に手をかけた燈眞を止めるため俺は、燈眞の手に俺の手を重ねた。


「忙しい時間帯なんだから止めろよ」


燈眞の目を真っ直ぐ見つめる。すると、燈眞は顔を赤らめてコクコクと首を振った。

(て、雫の手が!!幸せだ…)

(雫の白魚のような手がぁ!?コイツ殺す!!)

(チッ…うらやましい)


「俺が作るから少し待っててくれ」

俺は立ち上がり、キッチンに向かった。





































雫の姿がキッチンの方に消えた後。


「俺まずくても絶対食える自信あるわ…」


燈眞は半ば夢心地の状態で上を見ながら呟いた。


その言葉を聞いた雷は燈眞の発言を鼻で笑う。


「テメェー、ふざけんなよ!雫の料理がまずいわけねぇーだろうが」


燈眞を睨み付けながらも、自分のことのように自慢げに身を乗り出して言う。


「…プロ級」


また睨み合う雷と燈眞を横目に霄が呟く。


霄はおとなしく座りながらも、雫の料理が待ち遠しいのか、そわそわしている。

「そうなのか!?」

「あぁ、雫の料理は世界一だ」

「…。」コクコク。





それから、雷の雫話が始まった。

燈眞は雷の雫に関する話しを余り興味のないふりをしながら聞いているが、目の輝き具合からいって興味津々なのは、誰の目から見ても明らかだった。

[before??][after!!]

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あきゅろす。
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