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私立水晶華学園



そんな日々が続いたある日、夕食の席であの女は突然、俺を全寮制の学校に入れましょう。とあの男に提案した。


俺は正直、とうとう来たか。と思った。
あの女が俺をこの家から追い出す機会を虎視眈々と狙っていたのは明らかだったからだ。別段驚く事でもなかった。


何しろ、あの女に殺されかけたのは、一度や二度ではない。そう、女は俺を追い出す処か殺そうとしていたのだった。


俺は二人を憎み、復讐を誓ったあの日から、こいつらを地獄に叩き堕とす事だけを考え生きてきた。それまでは、絶対に死ねないと…。




あの男は多少渋ったものの、あの女が水晶華学園のパンフレットを取り寄せ、喜々として話したため、男は了承した。


水晶華学園はこの国でトップクラスの実績を誇ると言うのも了承の理由だろう。

この国の重鎮の半数以上が水晶華学園の卒業生であるからと言うのもあるだろうしな。


あの女の最後の言葉が未だに耳に残っている。


(全寮制の男子校よ。貴方の母親のような阿婆擦れ女はいないから安心して。)

ニイッと真っ赤な口を吊り上げて嘲笑ったあの女の醜く胸糞ワリィ表情と共に。













学園に来た俺は、忌ま忌ましい父親譲りの黒髪をオレンジ色に染めた。母譲りの赤茶色の目に合わせて。


父親に裏切られてから俺は、人を信じられなくなっていた。しかし、俺の事を誰も知らないこの場所でなら『友達』が出来るかもしれない。そうも思っていた。
















しかし、実際はやはり駄目だった。


俺の家柄に目が眩んで仲間の振りをする連中。
俺の容姿を見て媚びへつらう奴ら。


俺はそんな奴らを壊した。

[before??][after!!]

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あきゅろす。
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