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私立水晶華学園
過去


燈眞side



イライラする!
何をしても俺は満たされない…。いや、満たされなかった。


−俺は父親の愛人の子供だった。しかし、世間体を考えた父と義母によって表向きは正妻の子供として育てられた。


一族では衆知の事実だったが…



俺の母親はホステスだった。母は一般家庭で育った。少し貧しいながら、それなりに幸せな暮らしだったらしい。


しかし、幸せは長くは続かなかった。母の両親は突然交通事故でこの世を去った。駆け落ち婚だった母の両親は当然親族から見離されていた。



幼い頃の俺は母に育てられていた。母は、俺が父親のことを尋ねても、はにかんだように笑うだけで決して明かしてくれなかった。




ある日母は突然倒れた。もともと水商売には向かない女性だったが、身寄りのない母はそれしか生きるすべを持たなかったのだ。

『燈眞…愛しているわ…私とあの人の愛し子………』

そして母はそのまま息を引き取り二度と目を醒まさなかった。






天涯孤独になった俺は施設に預けられた。

そして、一年の歳月が経ったある日、俺の父親だと名乗る男が突然俺の前に現れた。

その男は俺に俺の母をどんなに愛していたかを切々と語った。嬉しかった。母をこんなにも愛してくれる人がいたんだと分かって。


その男は、更に俺と一緒に暮らしたい。と、言ってくれた。

父親と言う者に憧れ、天涯孤独の身だった俺は、二つ返事でOKした。

男はまた迎えに来ると嬉しそうに告げて帰って行った。


そして、数日後。








−その悪夢のような日々が始まりを告げた………

[before??][after!!]

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あきゅろす。
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