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私立水晶華学園



それも予想していたからと、あえて雷の前に出たのだから別段驚きはしなかったものの、俺はこの男の短気さに呆れてしまった。

当たると痛そうだとぼんやりと思いながら、雷に当たらなくてよかったという安堵感があった。

次に訪れるであろう衝撃に備えて目をつむり、歯を食いしばる。
しかし、いつになっても衝撃が来ない。不思議に思いそっと目を開けいると、俺の目の前にはオレンジ色の髪の男…ではなく、雷と霄の背中があった。


俺を庇うように二人が男の前に立ちはだかったのだと俺が理解するのに数秒の時間を要した。


「ハッ!ソイツはお姫様って訳か。デケェ図体して護られてンのかお前。キメーェなぁ!」

馬鹿にしたように男は俺を嘲笑う。
その言葉を聞いた雷と霄は気色ばむが、今の俺はそれどころではなかった。

俺は二人を引っ張り振り向かせた。雷と霄は俺のいきなりの行動に、ぽかんとした顔をしたが、俺は気にしないで二人の頭目掛けて手を振り降ろした。

ゴンッ!!

「いて!!!」
「…ッ!!!」

二人の声が聞こえたが、俺は気にせずに二人を怒鳴り付けた。

「あぶないだろーが!!!」

俺の怒鳴り声に雷と霄は、さっきまで男に向けていた険しい表情を今は泣きそうに歪ませている。
心なしか二人とも涙目だ。それに若干の罪悪感を感じつつも、俺は続けた。

「いつも、いつも、いつもいつもいつもいつも!!!お前等は〜!!!」

ダンッ!!

ビクッ!!!

「俺を守ろうとするな!」
澪が掠われて以来、俺は大切な人が傷つくのを極端に畏怖するようになった。
今でも…怖い…

「大切、なんだ…大切なんだよ…」

雷や霄より俺の方が泣きたいわ!馬鹿どもめ…

[before??][after!!]

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