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私立水晶華学園
燈眞登場


「あ゛ー、面倒だったぜ」

一まず生徒より先に外に出て中庭にたどり着くと、雷がぼやいた。

「…疲れた」

雷も霄も、とても疲れているな。そう思った俺はシークレットブーツによってそう変わらない位置にある二人の頭を撫でた。
二人は、気持ち良さそうに目を細めてされるがままになっている。




「おい、邪魔だ」

そこに低い声が響いた。その声は後ろから聞こえたようで、三人で後ろを振り返る。雷と霄からチッと舌打ちが聞こえた。

そこに立っていたのは、オレンジ色の髪に赤茶色のつり目できつい印象の美形だった。第一印象は不良ってところか。
(雷や霄と並ぶんじゃないか?)そう思ったのは雷と霄には内緒だ。

先程の人々と同様、驚いた顔をする男に思わず苦笑がもれた。


雷が俺と霄を男から隠すように一歩前にでた。
すると男は顔を険しくする。
雷がオレンジ髪の男と睨み合う。今にも殴り合いが始まりそうな空気だ。
見るからに血の気が多そうな二人だから、このままにしておいたら雷が怪我をしてしまうかもされない。と思った俺は急いで二人の間に体を滑り込ませ、割って入った。


男の視線が俺に移ったのを確認して俺は口を開いた。
「すまない。騒いでしまって…しかし、この中庭は貴方一人の物ではないと思うが」
始めは少し申し訳なさそうな口調で、後は淡々と。
煩くしてしまったのはこちらの落ち度だが、この場所をさも自分の物のように言う男は些か勝手過ぎやしないかと思ったからだ。

雷から俺に視線が移り鋭い目付きが一瞬驚いたように見開かれたが、俺のその言葉で男は更に眦を吊り上げ、急に間合いを詰めて俺に向かって腕を振り上げた。

[before??][after!!]

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あきゅろす。
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