私立水晶華学園
2
続双葉side
『キャーーー!!!!!』
煩わしい声だ。
生徒会の人間が出て来るといつものように響く煩い声。
だいたい、私はノーマルだから男に好かれても困るだけだ。いくら男子校で男しかいない環境とはいえ、男のどこがいいのか…はっきり言って了解出来ない。
集会は、編入生と在校生の顔合わせと言う名の在校生による品定めだ。生徒に認められればここでの生活は安泰、しかし、万が一認められなければ待っているのは制裁と言う名目でのいじめ、暴力、果ては強姦などの地獄だ。
私はこの風習とも言えるべき悪習が大嫌いだ。そして、容姿などでしか人を判断出来ないここの学園の奴らも…。
今回の編入生達は理事長の甥、しかも、神咲一族だ。この一族は旧家で海外を拠点に事業をしている。家柄なら問題無い処か生徒会にも劣らない。
となれば問題は容姿だ。
理事長の様子からして何とも言えない。いつもなら出回っているはずの写真等が無いところから推測するに、理事長が裏から手を回したのだろう。
理事長を見た限りでは、心配無いかも知れないが、やはり、本人達を見ないことには何とも言えない。
三兄弟で入って来るのだから、一人くらい平凡の顔が居ても何ら不思議は無い。
理事長がお楽しみだと言い誰一人として顔、そして素性すら公表しなかったために様々な憶測が飛び交っていたくらいだ。理事長の甥だという事も知っているのは生徒会の人間だけだ。
噂の内容は様々だったが、例えば、Eクラスに来る美形の不良だとか、平凡顔のがり勉だとかというものもあった。
[before??][after!!]
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