私立水晶華学園
3
「おはようございます。本日は、私達のために朝早くからご足労頂き誠にありがとうございます。明日からこの水晶華学園に正式に通うことになりました。左側から、」
「神咲 雷、3−S」
「…神咲 霄、1−S」
俺が一区切りして雷と霄をみると、渋々といった感じで一言ずつ簡潔にいった。
それに安心して今度は俺が続けた。
「神咲 雫です。ちなみに、2−S」
よろしくお願いします。という言葉で笑ってしめると一度は静まったはずの生徒達の叫び声がまた響いたので、俺は一礼して幕の裏に引っ込んだ。
雷と霄も俺に続いて入って来たが、二人とも不機嫌そうだ。
「どうした?」
二人はほとんど話していないし、みた限り歓迎ムードだったと思ったが、俺が気付かない内に何かしらあったのかと思い、そう聞いてみる。
しかし、二人は曖昧に笑っただけで何もいわなかった。
雷Side
俺はこの学園にくる前からあらかじめ、カマ男からここの内部事情を聞きだしていた。
全寮制の、しかも男子校、正直、冗談じゃねぇと思った。
雫をそんなところに一人で入れてみろ、共学の前の学校ですら害虫駆除に手間取ったっていうのに、寧ろ、駆除出来なかった虫もいた…。まったく頭が痛い。しかも、なんだこの学園は…カマ男が大量発生している。悪夢だ…男がグロスなんてキモいだけだ…。
俺は雫が好きだが、男でも女でも雫以外は論外だ。
−愛してる雫
俺はお前の一番が欲しい。といったらお前は無邪気に笑うだろう。
その意味に気付かずに。
お前は優しいがとても残酷だ。
しかし、俺にはお前が全てだ。
お前を守ろうと誓ったあの日から…。
愛おしいと気付いたあの時から…。
雷Side end
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