私立水晶華学園 2 必ずしも同じクラスじゃなければいけないという訳じゃないが、クラスが同じ方が何かとやりやすいんだよな。 それに、早く会いたい。 「言い忘れていたが、お前等全員、各学年のSクラスだからな」 俺の考えを読んだかのようなタイミングで力さんはさも、今思い出したというように俺達にそういった。 「力さん、澪はどこのクラスなんだ?」 俺は真剣な顔で力さんを見つめてそう問うた。 ニヤリッ 「S」 力さんはニヒルな笑いで簡潔に答えた。 「上出来だろ?」 「あぁ!」 流石力さんだ、頼りになる。 俺達三人は一応、家柄と成績はクリアしている。 雷と霄に限っては顔も余裕で問題ないが、俺の場合はよくて中の中位だろうし、さっき隣の部屋になぜか置いてあった手鏡でみてみたら、ウィッグを付けると少しは格好よく見えるかもしれない。 髪型を変えるだけで結構変わるもんだな。 とにかく、力さんが裏でどうにかしてくれたおかげだろう。 「し、雫が…俺のかわいい雫がぁ〜(泣)」 「………(泣)」 「俺の格好気持ち悪いか…?」 しゅん、と肩を落としてじっと二人を見つめる。 二人に気持ち悪がられるのはやっぱり嫌だな。 「そんなことないぜ!どんな格好でも雫は雫だ」 「…雫」 雷が力強く言い切り、霄は優しく微笑む。 二人とも少し顔が赤い。 『愛してる』 「俺もだよ」 二人の言葉に俺も即座に返して三人で笑い合う。 さっきまで笑い合っていた俺達も時間がなかったのを思い出して、力さんの方を向く。 そこにいたのは、笑顔の力さん。ではなく、表情が固まっている力さんだった。 [before??][after!!] [戻る] |