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私立水晶華学園



迎え用のリムジンに乗り込んで最初に驚いたのは、普通運転手がいる位置に誰もいないことだった。

(動くのか!?)


しかし、俺の心配をよそに車は動き出した。

いくら力さんでも、さすがに学生に運転させないか。
どうやら、自動操縦らしい。力さんは家でもかなり金遣いが荒いがここでもそうみたいだ。家には力さんが買った高価な絵や壷やらがたくさんある。全て売ればざっと数えても、小さな国の国家予算並だとか…

なんとも恐ろしい。
しかも、この力さんコレクションは未だに増え続けている。俺が気付き購入を止めた物もその何日か後には必ずある始末。
本当に困っているのだ。







そうこう考え込んでいる内に車はまたもや豪華な門の前に止まった。
ふと、車内の時計を見ると、ディスプレイには6時45分と表示されている。

一個目の門からここまで車で45分か。歩いたらそれ以上…かなりかかるな。
そう考えつつも、もう一度門のところを見た。


ん、門のところに人が…

二人?

ガチャ
車のドアが開いたので俺達は外に出た。
ガラスごしではよく分からなかったが、体格からして二人はどうやらスーツの男性のようだ。

門に近づくにつれて相手の顔もより克明になっていく。


一人は緩くウェーブが掛かった綺麗な茶色ぽい栗色の髪を後ろの高い位置で一つに結っている。いわゆる、ポニーテールの美形。

もう一人は艶やかな漆黒の黒髪を緩く縛って横から前に流している眼鏡を掛けたどこか知的な印象を受ける。綺麗な人。

二人共背が俺と同じくらいはあるからけっこう長身だ。


そして、二人共俺達のよく知っている人物だった。

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