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私立水晶華学園


晃暉side

「ケガ人は大人しくしてろ!」

オレは痛みに顔をしかめながらも立ち上がろうとする達哉をなんとか押し止める。

ガタッと物音がして、ハッとして雫達の方を見る。

神娜の腕にはいつの間にかぐったりした雫がいた。

神娜はゆっくりとした動作で雫を抱き上げる。

そして、そのまま踵を返した。

「テメェー!待てよ!雫をどうするつもりだ!?」

オレは神娜に向かって怒鳴り声を上げる。しかし神娜は止まらないどころか返事すらしない。

「雫ッ!!」

焦ったオレは神娜を止めようと走りだそうとしたが、達哉に手を掴まれた。

「達哉!邪魔すんなよ、雫が!!」

「お前、じゃ、無理だ。わかって、る、だろ…?」

「でも!それじゃ雫が!」
雫が連れて行かれた方を見てももう二人の姿はなかった。

「焔火に頼むしかない」

そう言って意を決したかのように立ち上がる達哉。

「でも、アイツじゃあ助けてくれるわけねーよ!!」
普段からオレ等をゴミのように見下しているようなヤツだ。いくら転校生とは言え、雫を助けてくれるとは思えない。


普段は生徒会の特権を使ってあまり授業にも出ないし、話しなんてしたことない。

昨日は途中から急に出て来てやたら一生懸命ノートを取っていたが。
そんな焔火の様子に皆マジで驚いていた。

…今は関係のないことを思い出すほど俺の頭は混乱していた。


雫が殴られて犯されるなんて考えたくもない!

雫は神娜は従兄弟だって言っていたが、だからといって理由もなしに人を傷つけるようなヤツが従兄弟だからって手加減するはずがない。

元に神娜は雫の首を…


「それでも、アイツは強い」

歯を食いしばり悔しさを滲ませながら達哉は呟いた。
オレは下げていた頭をハッとして勢いよく上げた。

達哉とオレの視線がぶつかる。

そうだ、アイツは喧嘩がめちゃめちゃ強い。
気に入らない生徒は容赦なく殴るヤツだが、何時だか十人もの生徒に闇討ちされたが、焔火は無傷だったのだ。

オレ達は互いに頷きあった。
「急ごう、生徒会室に!」

雫、どうか無事でいてくれ!

[before??][after!!]

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