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私立水晶華学園



長身にガタイの良い躯つき赤の髪に青いメッシュ、それにダークブルーアイ。


雫と張れるほどの超絶美形がそこにいた。


初めて見た神娜は瞳が特に印象的だった。



しかし、いい意味では決してない。深い湖の色だが瞳には光がなく、何も映していないのだから。


神娜が雫の後ろに立ち、雫の首元に手を伸ばした瞬間やっと俺の口は動いた。

「雫!!」

雫の首を神娜の手がゆっくりだが、確実に締め上げていく。


「ッ…」



雫が吐息のような喘ぎを漏らす。

「「雫!!」」

俺の口からでた悲鳴のような叫びは晃暉の声と重なった。


冷や汗をかいた晃暉が視界に入るが、それは俺に余裕が出たというわけではない。

恐怖感はなくならないが、友達を助けたい一心で俺と晃暉は神娜を止めようとした。


だが、それは雫の強い視線に阻まれることになる。


神娜とは違い綺麗な光を湛えた瞳にはとても強い意思が宿っていた。


その瞬間だけ俺は恐怖感を忘れた。


俺達が動かないのを確認して雫は目元を和らげた。


俺は、いや俺達は雫から目が離せなくなった。


雫の男にしては綺麗な手が神娜の手に触れる。


俺達にはわからなかったが雫は何かを感じ取ったのか僅かに口角を上げた。


俺はこの時不謹慎にも雫を綺麗だと思った。

「…レ、イ…」

舌足らずにそう呟いて、それを最後に雫は瞳を閉じた。

その時初めて神娜の口が動いた。

しかしそれは声に成らず、動いただけだった。


誰にも読み取れないほどの小さな口の動き、そして雫はゆっくりと崩れ落ちていった。

[before??][after!!]

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