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私立水晶華学園
発覚

首にヒンヤリと冷たい手がかかる。

首に段々と力が込められていく。

「ッ…」

段々と気管を塞がれ息苦しさに喘ぐ。そんな状態にも関わらず、俺の頭は冴えていた。


「「雫!!」」

晃暉と達哉の焦りに満ちた悲鳴のような声が静まり返っていた食堂に響いた。

立ち上がろうとする二人を目で制する。

二人は躊躇していたが、なんとかその場に留まってくれた。

俺は二人の様子に安堵し、意識を手の持ち主に集中させた。

自分の手を俺の首を絞めている手にそっと添える。男の手がほんの少しだけ動いたのがわかった。


骨張ってしっかりとした男の手だが、肌のきめは驚くほど細かい。

「…レ、イ」

上手く発音ができない上に吐息のような声しか出すことができなかった。

そのことを歯痒く思いながらも俺の意識はついに闇に沈んでいった。




「……シィ…」


意識が無くなる間際に聞こえた懐かしい声は幻聴だったのか…

お前がそんな声を出す必要はないのに…















達哉side

突然食堂に現れた神娜澪によって辺りは静寂に包まれた。

アイツが食堂に来ることなんて今まで一度もなかったのに。

しかもこちらに向かって真っ直ぐに歩いてくる。


なんで現れたのかなんて誰に聞かなくてもわかる。

奴の狙いは雫だ。

だが、わかっていても声が出ない…
今まで感じたことのないほど凄まじい威圧感。


クラスメートとは言え神娜は今までクラスに来たことも無ければ俺は顔すら見たことがなかった。

学園内で神娜を見たことがあるのは被害者だけだと言われている…

神娜は普段寮に引きこもっているが、稀に外に出る。その間に被害者が出る。

アイツはどこからともなく現れてターゲットをどこかに引きずり込む。

引きずり込まれた者はいずれも酷く痛め付けられた後に犯され酷い姿で発見されている。

[before??][after!!]

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あきゅろす。
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