私立水晶華学園
3
友達と言うよりは母さんと子供の図だな。
想像すると似合い過ぎて思わず噴き出してしまう。
「ッ!…ふっ!!」
堪えようとしたが、つい笑してしまった。
俺の笑い声に二人が動きを止めて俺を凝視してきたのも、クラスメートからの視線が一斉に集まったのも自覚していたが、笑いは中々止まってくれない。
こう見えてお笑い番組とかも好きなんだ。誰に言っても意外性あり過ぎって言われるけどな。
「意外…」
達哉の呆然とした呟きが聞こえた。
やっぱりそう思うのか。
あー笑い過ぎて涙出てきた。
くっくっと肩を震わせていると右側から衝撃が来た。
「カ〜ワ〜イイ!!」
気付けば俺は座ったまま右側にいた奴に抱き着かれていた。
雷や霄がスキンシップが激しいのであまりそういったことには頓着しない性なんだが、何故か悪寒がする。
気付けば無意識に相手の鳩尾に肘を入れてしまっていた。
「グフッ!」
ナイスヒット。
俺の肘は男の鳩尾に吸い込まれた。
床に崩れ落ちる男。
俺はそこでハタッと我に返った。
「悪い!」
慌てて立ち上がり男の目の前に座り込む。
「大丈夫か?怪我は?」
何も言わない男に怪我をさせてしまったかと思い、男の顔を下から覗き込む。
え?
「鼻血出てるぞ」
謎だ。鳩尾を打って何故鼻血がでるんだ…
「ハアハア!涙目&上目遣い!グッジョブ!」
変態?
鼻血を出し息荒く意味不明な言葉を言って頬を染める様子が変態でなくて何だと言うのだ。
鼻血を出し笑いながら親指を立てる男のあまりの気持ち悪さに無意識に男の顔を地面にめり込ませてしまっていた。
「フガッ!」
この男からのスキンシップに拒絶反応がでたのはこういうことかと俺は妙に納得してしまった。
「間宮ってこういう奴だったんだ…?」
どこか呆然としたクラスメートの呟きは風に流れて消えていった。
[before??][after!!]
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