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私立水晶華学園


「噂の美形三兄弟だしな。じゃあ雫って呼ぶわ。俺のことも達哉って呼んでくれ」

「わかった」

ニカッと微笑む達哉。歯の輝きが半端なく眩しい。
俺は達哉の爽やかさに面食らいつつも頷いた。


「教室の場所とかわかるか?」

よければ案内しようか?と気を遣ってくれる達哉。

「一応、学校の内装と教室位置はほとんど頭に入っているが、実際に見てわかることもあるだろうから、後で散策してみるつもりだ」
澪に会った後で。と心の中で付け足しつつ答える。


「そうか。わからないことがあったら聞いてくれ」

転校したばかりで学園に不慣れな俺のことをさりげなくフォローしてくれるなんて、なんて良い奴なんだろう。

雷や霄にも見習わせたいものだ。
この席にしてくれた櫂矢先生に感謝だな。

思わずふふっと笑みが零れた。

その瞬間をクラス全員が食い入るように見ていたなんて俺は知るよしもなかった。

「なあなあ!」

突然斜め前から声をかけられた。

声の方をみると先生との攻防から戦線離脱したのか元気少年が後ろを向き、目を輝かせながら身を乗り出してきた。

「どこの学校から来たんだ!?身長いくつ!?彼女いる!?あとあと!!イテェ!達哉何すんだよ!?」

「アホか!?雫が困ってんだろ!」

マシンガントークで次々質問され何から答えようかと考えていると、達哉が元気少年の頭をスパァーン!とこぎみよく叩く。

思わず感心してしまうほど良い音がした。

「お前だけ仲良くなってズリィーよ!オレも神咲と仲良くなりたいんだもん!」
「男子高校生が“もん”とかつけるな。それに雫が困ってるだろうが」

「あー!!しかも名前呼びしてる!」

「雫が良いって言ってくれたんだよ」

「達哉ズリィー!」

「お前はもう少し静かにしゃべれんのか!?耳が痛いわ!」

頬を膨らませて達哉に詰め寄る。対する達哉は耳元での大声が耳に響くのを防ぐために耳を押さえている。
二人は仲が良いんだな。

[before??][after!!]

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