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甘い、というか甘ったるいですー。


「・・・また無くなってるんですけどー」






―甘い、というか甘ったるいですー。―





ガチャン、とノックもなく無遠慮にドアを開けた。


「センパーイ、ミーのケーキがー・・・って、あー!」


「あ?お前のケーキがどうしたんだよ」



近頃ミーが部屋にこっそり買い置きしているケーキ類が消えることが多々あった。



そして今度はお気に入りのシフォンケーキが消えたのだ。



ミーの部屋に出入りするのなんてセンパイくらいだから聞いてみようと思っって来てみた。


そしたらこれだ。



「あ、ケーキってこれのことだろ」



当の本人は、悪びれた様子もなく平然とミーの目の前でミーのケーキを食べている。




「返してくださーい!ってかもうほとんど食べちゃってるじゃないですかー最悪ですー!」



「ししっ、食われたくなかったらもっとちゃんと隠しとけよアホガエル」


「うー、普通は人のもの勝手に食べたりしませんー・・・」



楽しみにしてたのにー・・・、とミーがいじけるていると、




「じゃあ変わりにもっと甘いもんやるよ」



と言ってミーの顎を掴んで上を向かせ、口の中に当然のように舌を突っ込んで来た。



「んぐっ!?・・・!んんー・・ん、んー!!」



慌てて舌を引っ込めるけどセンパイの舌に絡めとられて逃げられない。



「んっ・・・ん、ん・・・んむぅ・・・っ!」



苦しい!と自分のよりも立派な胸板を叩くと、

シールでも剥がすようにゆっくりと唇が離れた。


銀色の糸が繋がっているのが見えて顔が熱くなる。



「な、甘かっただろ?」


ニヤリ、と笑って口端を拭われる。




「甘い、というか甘ったるいですー・・・」


「甘ったるいのが好きなクセに」



この人事態が甘ったるいんですねーと心の奥で納得し、



「センパイだから好きなんですー」



と呟いて次はミーからセンパイに口づけた。


       (end)







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あきゅろす。
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