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Please love me (下)


(君と)(あなたと)

愛し合っていたい。






―Please love me―





「知らないし・・・」



この人も愛を知らない人だった。


忘れていたが、そう言えばそうか。





ミーたちは愛を知らないまま愛そうともがいていた。


少なくとも一般的な愛なんて持っていないかもしれないけれど。



「センパーイ・・・」


「何?」


「やっぱりセンパイに抱かれたいですー」


本心だった。

この人に愛された証拠が欲しかったから。



「抱いてやるよ、お前が大人になったらな」


「ミーだって子供じゃないですー」


「ガキだろ」



大人になるまでは待ってやるよ。




「・・・・・」


「どうした?」



「いや、案外常識的ですねー・・・なんて」


「うっぜー。殺す!」



「なんて、って言ったじゃないですかー」


「知らねーよ、だって俺王子だもん」




ベッドに押さえつけられたままだったので流石にしんどくなってきた。



「そろそろ離してくださーい」


「無理。愛してるから離さない」



センパイの背中に手を回す。



「じゃあミーも離しませーん」



センパイの腕の力が強まって、フランと呼ばれた気がした。



「何か言いましたー?」



「言ってねえし、黙ってろ」



また力が強くなる。




「そろそろ潰されそうなんですけど―」



そんなにしなくてもミーは何処にも行きませんよー。




「うるせー・・・」



センパイの声が弱々しく泣いているように聞こえた。



ミーはたぶん愛されてることをわかっていながら酷いことを言ってしまったんだ。


不安だったから、傷つけたかも。



「センパーイ、ミーが悪かったんでー泣かないでくださーい」



「泣いてねーよ・・・」



そーですかー・・・。




「やっぱり抱きたいかもしんねー」



「大人になるまで待ってくださーい」



「うっわ、生意気」


「冗談ですよー」



あなたはミーの首筋に顔を埋めて一言だけ呟いたきり眠ってしまった。



「愛してる・・・」


言葉で悪かったな、アホガエル。

なんてちっとも申し訳なさそうな様子もなく謝って。


       (end)







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