[携帯モード] [URL送信]

メイン
故障中(元拍手文)*スクフラ




*故障中*



「たいちょーっ、抱っこしてくださーい」


「あ゛ぁ!?」



そう言ってノックも無しに俺の自室に入り込んで来たこのガキはこれでも暗殺部隊幹部。


そしていつもは冷静なボンゴレ一の毒舌野郎だあ。


・・・のハズだあ・・・。




「たいちょー、ミー今晩たいちょーの部屋で寝てもいいですかー?」


「う゛ぉぉい、何か変なもんでも食ったかあ?」


正直現在の甘えっぷりに困惑するくらい、いつもはツンなやつだ。



「食ってませーん。たいちょー抱っこー」



へにょん。

音が付きそうな程力が抜けたガキは、許可もしてないのに俺の膝の上に乗っかって、



「たいちょー。ちゅー」



何て言ってニコニコしている。


と、近づいて初めてわかったがどうやらこいつ酒臭い。




「フラン、酒飲んだんじゃねぇかあ?」



「飲んでませーん。ジュースですー」



オカマ先輩がくれたんですー、と言っている。


ルッスーリアめえ!


フランは未成年だあ!




「ガキのクセしていっちょ前に酔っ払ってんじゃねえぞお!」



「酔ってないですー。飲んでませんー」



だからちゅーしてくださーい、と続けざまに言う。



「ちゅーは大人になってからだあ。ガキにはまだ早えぜえ」



「ガキじゃないですー。立派な大人ですー」



幹部唯一の未成年者だから、と言って

あらゆる場でガキ扱いされているこいつはそれが気に食わないのだろう。



でもどうであれ、俺から見ればガキに違いはない。



「ガキはガキだあ。とにかく大人しく寝ろお」


「ガキじゃないのにー・・・」



ムス、っと頬を膨らませてうつむく仕草なんかガキそのものだ。


「じゃあここで寝ていいですかー?」


お願いですー、なんて見上げられたら断れる訳もなく、



「・・・好きにしろぉお゛・・・」



「やったー」



何て、甘やかしている俺に自分自身頭が痛かった。



「おやすみなさーい」



と言って当然のように俺の隣に潜り込んできたが、それに反論すら言えない。



・・・どうかしてるぜえ・・・。



その夜は理性が切れまいと必死で抵抗する彼の姿があったとか。


      (end)




[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!