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照星守護ものがたり
《四》

「……ってあいつ、仲間置いていきやがった……」

若い侍は呆れきった表情で呟いた。

「おい、お夏」

若い侍は、横を通り過ぎていこうとした少女を呼びとめた。

「倒れた奴の急所蹴って仕返しなんて、人間としてどうかと思うぜ?」

「満(みつ)さん、なんで止めるのよ。ここで退いちゃ女が廃るわ」

お夏は勝ち気に若い侍ー満さんこと吉祥 満之(きちじょう みつゆき)を見上げた。

「いや、許してやれよ。俺にのされた上に仲間に置いてきぼりにされ……挙げ句道端に放置。お仕置きは十分だろが」

もっともな言い分にお夏は、不服そうに、それでも「そうだね」と言った。

満之は羽織を拾い上げた。


「じゃあ、行くか」

羽織を身に纏いながら満之は言った。

「うん、お礼もしなきゃだしね」

お夏が言うと、満之は明るく笑って「おう」と答えた。

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