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リリカル無自覚
突入編3

ユーノは穏やかな心を
持ってるし道徳観も
倫理観も人一倍強いが
玲を命の恩人であり
生涯の友と感じている。
最初の暴走体の件で
自分を助けたのは
なのはではなく玲だ…
僕は何も出来なかったと
本人は否定していたし
暴走体を倒したのも
なのはだったが彼女が
来たのは玲が呼んだから
来てくれたのだ。
故に最初の暴走体の件は
玲がユーノの恩人で
なのはが玲の恩人との
解釈が成立する。
決闘騒ぎのとき彼が玲を
責めたのは味方同士で
倫理や道徳観を無視した
手段を使うことに抵抗が
あったからであり敵だと
抵抗までは抱かない。
この性格は彼の生まれ
育った環境が強い影響を
与えている。
ユーノは孤児であり
スクライア一族に拾われ
育てられたせいで身内は
一族全体に近い。
その証拠に彼が名乗る
姓は部族名である。
発掘を生業としている
スクライアは実力主義で
年齢が低くとも実績さえ
あれば一人前となる。
ユーノは端正な顔立ちで
魔法も上手に扱えるから
発掘調査で役立ち続け
一族の中で大人扱いされ
実績を積んでいた。
その実績の中には当然
戦闘行為とて含まれるが
民族柄、戦闘における
考え方は勝つ為の戦いや
殺す為の戦いでもなくて
生き残る為の戦いだ。
発掘調査を生業にすれば
当然の考え方と言える…
超古代の遺物である
ロストロギア発掘では
ダンジョンに潜る必要も
ありトラップも考慮する
必要があるのだ。
トラップに引っかかった
際一々戦闘していては
次のトラップが発動して
八方塞がりになる恐れも
あるのだ。
可能な限り戦闘を避け
切り抜けることは正しい
選択肢である。
また、ユーノが発掘する
際は必ずと言っていい程
大人の魔法使いが何人も
一緒にいたので自分の
身を護る間に彼等が敵を
倒してくれていたなどの
事情もあるのだ。
玲もなのはも生き残る
為の戦いを否定する気は
毛頭なかったが攻勢に
出る作戦において意味を
為さないのだ。
少なくとも情報面で
圧倒的不利な状況かつ
後ろに護るべき家族達や
友人親友恋人などがいる
場合自分一人の身を護り
続けたところで何一つ
状況は好転しない。
寧ろジリ貧になるだけで
悪化してしまうのだ。
それでも、囮や陽動には
使い道があるのだが
ユーノの死亡率が極めて
高くなり過ぎるので
真っ先に玲は選択肢から
外し彼にも魔法の修行を
積んで貰ったのだ。
玲がフェイト達と直接
出会うまで考えていた
作戦を詳しく説明すると
作戦に参加する者は
魔導師の卵三人組。
プレシアを捕まえる
必然性はなく殺すだけで
街や地球を脅かす脅威を
排除出来るしプレシアを
直接殺す必要すらなく
結果として彼女が死ねば
街も地球も守られる。
つまり、やり方次第では
直接戦闘の必要さえなく
時の庭園を破壊すれば
結果的に殺せるし、例え
殺せずとも計画の失敗を
彼女自身が悟る。
勿論、破壊は簡単では
ないが動力炉内の魔力を
拡散爆発させる種類の
魔法で爆破すればいい。
ユーノとなのはの二人は
動力炉までの道中で色々
理由つけて帰って貰う。
なのはなら動力炉など
狙わずとも魔力砲一発で
時の庭園を破壊可能だが
なのはと比べたら玲は
才能の欠片もない為
魔法に目覚めたときから
少ない魔力を効率的に
運用する必要があった。
時の庭園を失った時点で
彼女の計画も長時間の
戦闘も不可能となるから
生き延びられたところで
全ての目論見が潰えた
後でしかないのだ。
下手すれば戦意を喪失し
戦意を保っていられても
怒り狂っている状態で
出てくるのは確実。
全ての目論見が潰えては
後先を考えずに魔法を
乱発し計画を潰した
張本人の玲を殺そうと
襲い掛かるだろうが
魔法を使えば使う程死が
近づいてしまうのだ。
玲から攻撃する必要など
どこにもないので回避や
防御にのみ専念出来る。
ここまでの状況に
持ち込めたら自動的に
玲の勝ちが成立。
例え、玲が殺されても
プレシアを死なせた罪で
管理局に逮捕されても
玲は地球にある護りたい
ものを全て護れたのだと
自己満足は出来た。
玲とて死にたくはないし
現状の生活に不満がある
訳でもなく寧ろ大いに
充実している。
一度は人生丸ごと失って
新しい家族や友人が出来
恋人までも出来たのだ。
でも、だからこそ、
失いたくないとも思う。
全て一度失ったからこそ
大切さが分かるし命さえ
懸けられるのだ。
ユーノには仕事に対する
責任感があり玲には
掛け替えのない日常を
護りたいと戦うに値する
各自の理由があった。
なのは個人には理由など
一つもなかったが彼女は
理由などアキラくんが
好きだからの一言で命を
魂をも懸け戦い続けた。
街を護りたいと願った
玲に出来たのはなのはの
ジュエルシード封印の
手伝いだけだった。
せめて、恩を返そうと
決闘騒ぎまで起こしたが
彼女は玲の傍を離れない
選択肢を選んだ。
もしも、玲が当初の
予定通りの作戦を実行し
完遂していればなのはは
あらゆる手段を使い玲を
取り戻しただろう。
死んでしまえば甦らせて
管理局に捕らわれてれば
『管理内世界を統治する
司法組織がアキラくんを
捕まえ正義を騙るのなら
全ての管理内世界が敵』
などと故意に拡大解釈し
管理内世界ごと塵一つ
残さず消滅させようとも
結果、どれほどの犠牲が
出ようともだ。
月村の四人とてなのはを
諫めるどころか逆に
煽って隠蔽工作に協力し
大量の犠牲が出ていた
可能性は極めて高い。
その場合の犠牲の規模は
街や国や大陸どころか
星や世界の一つや二つに
留まってくれた筈もなく
管理局が支配統治する
全ての世界だから恐らく
千や億の世界が塵一つ
残さず消滅しただろう。
なのはの力なら常人が
石ころを蹴る感覚程度で
容易く世界を滅ぼせるが
普段は暴力が嫌いな玲を
悲しませない為に力を
抑えているだけなのだ。
玲は周囲にいる女性陣が
目的達成の為なら悲道な
手段も選べる者達だと
忘れがちなときがある。
勿論よっぽどのことさえ
なければ忘れないが
その作戦立案したときは
ジュエルシードの回収で
なのはの戦いを援護しか
出来なかった無力感や
絶望感が最も酷く精神や
頭脳が平時どころか
戦時よりも擦り減っても
無理はない。
最も過去考えていた策と
現在実行している策は
全然違う物なので視点を
現在に戻す。
プレシアは部屋に魔力が
近づいてくるのを察して
杖を入口に向ける。
扉を蹴破り入ってくるか
魔法で扉ごと貫通破壊し
直線上にいる私を狙って
攻撃してくるかまでは
知らないが体調を考慮し
戦闘時間を可能な限り
短くし速攻で決着を
着けるのがベスト。
なら、いっそ侵入者達が
扉に近づいた時点で扉を
魔法で貫通破壊しながら
直接攻撃を狙おうとは
考えなかった。
効率だけを考えれば
やるべきだがアリシアが
眠る場所は彼女にとって
聖域も同然なのだから
無闇に壊したくないので
選択肢から除外した。
遅延呪文の用意とて
終わっているのだから
焦る必要はない。


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あきゅろす。
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