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赤い花と夏の空



知ってた。
つな君が風紀委員長と付き合っていることも、それはつな君から告白したってことも、いまつな君はすごく幸せだったってことも、彼がその恋人の家に招待されて朝まで出てこなかったってことも、みーんなみーんな知ってた。僕はつな君がすきなのにつな君は風紀委員長がすきで風紀委員長もつな君がすきで僕だけ悲しい一方通行だった。それはなんだか不公平に思えた。


彼を屋上に呼び出した。彼はどうしたの、炎真君?って言った。僕はごめんね、とだけ言ってつな君の肩を押した。

知ってた。屋上の緑のフェンスのネジが弛んでたこと。ちょっと押しただけで倒れてしまうこと。みーんなみーんな知ってた。

彼は一瞬何が起こったかわからない、という顔をして、それからちょっと笑った。一秒もないような短い間だったのにそれよりずっとずっと長く感じた。

彼が僕の視界から消えて少ししたら肉とか骨とかほかのいろんなものが潰れる音がした。フェンスがとれて何もなくなったところから下をみたらあかいあかい花が咲いていた。きっと僕の髪よりあかいいろ。つな君は僕の髪をきれいだねって言ってくれたけど僕はつな君のほうが綺麗だと思った。



僕も花になりたいと思った。



つな君と同じように背中をしたにして宙に浮いた。つな君の時間は永遠に僕で止まったままになったと思ったのに、なのに、視界いっぱいに広がったのは抜けるような青だった。少し残念に思ったけど、お揃いのあかになれるならいいかな、と思って目を閉じた。



ぐしゃっ











俺を突き落としたのは炎真君のはずなのに炎真君は泣きそうな声でごめんね、と言った。泣きたいのは俺のほうなのになんで炎真君が泣きそうになってるのか考えたらすごく滑稽に思われた。空が青くて炎真君は赤くて、なんか奇麗だなと、







なんか急に炎つな書きたくなった結果。そして3日に1回やってくる病み期間。爽やか系目指したらざんねんな結果に。


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