プレゼントは君
ひば誕をお祝いするよ!なひばつな
5月5日
雲雀さんの誕生日である。
綱吉はこの日のためにこのゴールデンウイークをケーキづくりに費やしてきた。
はじめは膨らまなかった生地も3日ごろにはふんわりと膨らむようになったし、デコレーションも上手くなったと自分でも思う。
今朝だって5時に起きて(普段は殴られても起きない)ケーキづくりに取りかかったのだ。
そして今、綱吉は応接室の前に立っている。
手には綺麗にラッピングされた箱。
(ああぁあぁぁ。どうしよう。緊張して足ががたがたするよ。)
こんなことをしている間にも時間は刻一刻と過ぎていく。
今日はよく晴れていて、額に汗がにじむような気温である。
はやくしないとケーキが温まってしまう。
綱吉は意を決して目の前の扉を開けた。
「しっ、失礼しますっ」
「綱吉?なんで学校に?」
「あの、あのっ、雲雀さんにプレゼントをとおもっ、てっ、」
雲雀の元へと歩き始めた綱吉は自分の足につまづいた。
手から離れ、一度上へ向かった箱は、重力に従って床へと一直線。
箱に手を伸ばしながら倒れていく自分。
すべてがスローモーションに思えた。
世界がa tempo(元の早さに戻す、だっけ?)した時には床とお友達になった綱吉の上に潰れたケーキが…というバッドエンドを迎えていた。
せっかくの練習が水の泡。
(…もう泣きたい)
「ねえ、大丈夫?」
泣き顔は見られたくない、と必死にわらう。
「はい。プレゼントを、と思ったのですが、駄目になっちゃったみたいです。」
その時雲雀の長い指が綱吉の頬を掠めた。
「わお、大胆だね。」
ぺろ、と指を舐め、微笑む雲雀。
「駄目になんかなってないじゃない。」
だってプレゼントは君なんでしょう
「紅茶を淹れようか。」
「えっ、ええっ、」
「綱吉はちょっとそのままね。ケーキ食べるから。」
「だ、だめですよ!ほら、いまから買いに行きましょう!ね!」
「嫌。そのケーキ、綱吉が作ったんでしょ。僕は綱吉が作ったものが食べたい。」
「ひ、ひばりさああん」
「おまけに綱吉もついてくるしね。」
「俺はおまけですか!?」
「嫌なの?別にメインで食べてあげてもいいけど。」
ちゅっ
「ふえっ、ひばりさあん!」
\ひばたん!/
ひばり様、お誕生日おめでとうございます!
きっとこのあと綱吉くんは雲雀さんに美味しくいただかれたに違いない!とおもってます。
ぜひそうであって欲しい!←切実!
5/5
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