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みるくには角砂糖をみっつ



にゃんこな綱吉と飼い主ひばり


俺はネコだ。
猫とは違う。
なまえは綱吉。
恭弥に拾われ飼われてるネコだ。


「じゃあ、行ってくるから。」
玄関の恭弥にしっぽをぱたぱたさせて返事する。
ちょっと振り返るとなんか寂しそうな顔の恭弥。
いってらっしゃい、と言うと満足したのか、もう一回行ってきますと言って扉を開けた。
いつもの朝。
恭弥はまいにちまいにち俺を独りにしてどこかに行く。
トリにきいたら『ガッコウ』に行っているらしい。
ほんとうは寂しくて、ずっと一緒に居て欲しいけど、俺は強いネコだからそんなことは言わない。


それでも、それでもやっぱりがちゃりと扉が閉まる音が聞こえるとやっぱり寂しい。
しょうがないから遊んでやるか、とトリを探してたらいつもご飯を食べるテーブルのうえに黒い四角い包みがひとつ。
何だっけこれ、と少ない脳みそフル回転して考えたら『おべんとう』だとわかった。
どうやら恭弥の忘れ物らしい。
これがないと恭弥は困るだろうか。


そんなときちょうどトリがやってきたので言ってみた。

「ガッコウにあんないしろ。」


それからトリは恭弥に外に出ては駄目と言われてるだろうとか言ったが、焼き鳥にすると脅したら案内すると言った。
さいしょから素直にそう言えばよかったのに。
とりあえず帽子をかぶって、靴をはいて…あっ、おべんとうを忘れるところだった。



こんどはちゃんとおべんとう持ったし、だいじょうぶ!
ひさびさの外はいろんなものがいっぱいですごく遊びたいけど、いまはまだだめ。

トリがこっちこっちと言うので上を見ながら歩いてたら転んだ。
おべんとうはキャッチしたからだいじょうぶ!
でもひざが痛い。
見てみると血が出ていた。

「ふえっ、うわあああん」
いたい。いたい。

「大丈夫か?」
上から声がした。
見上げればにこにこ笑ってる優しそうなおにいさん。
気がついたら俺はそいつに抱きかかえられていた。

「あー、擦りむいちまったか。」
「えくっ、だいじょうぶ。俺は強いネコだからな。」
「そうか。名前はなんつーんだ?」
「つなよし」
「つなよし、じゃあツナだな!俺は山本武!」
「た、けし?」
「ああ。ツナはどこいくとこだったんだ?」
そうだった。忘れるとこだった。
「恭弥におべんとう届けに行くとこだ」
「恭弥?それってまさか雲雀恭弥?」
「そうだ。」「はははっ。あの雲雀がねえ…。よしっ、兄ちゃんが連れてってやろう!」

ジャキッ

「ちょっと、その子から手を放しなよ。」
「おお!雲雀!」
「早くしないと咬み殺すよ。」

そこには恭弥がいた。
見たことないくらい怖い顔でたけしに何か言ってる。
怖い。

「おいで、綱吉」
「いやっ!」
思わず引っ掻いてしまった。

「…っ、もう知らない。どこへでも行けばいいよ。そんなに山本武が好きならそいつに飼われれば。」
「おいっ!雲雀!」

俺はどうしたらいいのかわからなくて、おろおろしてるだけで。
気づいたときにはもう恭弥はいなかった。
捨てられたんだ、俺。
悲しくて涙が出てきた。
俺はたけしから降り、走り出した。



雨が降ってきた。
寒い。
俺は家がなくなったから公園の遊具の中で丸くなった。
傍らには渡せなかったおべんとう。
ごめんなさいなんて今更言っても仕方ない。
涙はとめどなく流れて、俺はそのまま眠ってしまった。



目が覚めると俺は家にいた。
隣には恭弥。
あれ?夢?

「ねえ、勝手にどこかに行かないでよ。心配したじゃない。」「…ゆめ?」
「夢じゃない。」
「だって、俺、捨てられた…」「言いすぎたよ。」
「俺、ここにいてもいいの?」「うん。いっしょにいてよ。」
顔がゆるむ。
ぎゅう、と恭弥に抱きつくと、頭を撫でられた。
気持ちいい。

もうずっとずっといっしょだからね!






(次の日、綱吉を見せびらかすように並盛を闊歩する雲雀がいたとかいないとか。)




なんかすいません。
長くなれば長くなるほどぐだぐだになるわたしって…
設定ではネコは半獣のことで、綱吉は5さいくらいのねこみみとしっぽつき少年だったりします。
とりあえずひばつな祭り2つめ!



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