リレー小説!
言わない。言わせたい。言いたくない。言え!
「なぁ、蓮。」
「……何だ」
ちょっと苛立った様な返事。それがまた何だか可愛く思えた。
「俺のどこが良いんだ?」
「………貴様。分かったんじゃなかったのか?」
「んぁ?でもやっぱなぁ」
足を止める。後ろを歩いてた蓮も倣って止まったらしい。振り返って見下ろした。また、眉間に皺が寄る。
「そーいうのは相手に言わせたいモンだぜ?」
口の端を片方だけ上げて笑う。不服そうな坊っちゃんのオーラが、ずいぶん苛立ってるみたいだが関係ねェ。ぶっちゃけ、さっき何が言いたかったのかよく分かんなかったし、どーせなら「好きだ」と言わせたい男心、ってやつだ。
「バカか貴様。付き合ってられん」
踵を返した蓮の腕を掴む。しゃがみ込んで、今度は俺が見上げる。蓮は一瞬、狼狽えた様な表情を見せた。
何だこの可愛い生き物。
「俺が、先に教えてやろーか」
何かコイツ。
最近よく表情が変わる。
コロコロと。
何かそれがメラ可愛い。
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