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その永遠に涙した
03

「「「いただきます。」」」


食卓に並べられた朝ご飯


うん、やっぱり皐月兄のご飯は最高だ


皐月兄は昔から何をやっても上手かった

勉強も、運動も、料理に裁縫まで


本当に「天才」って皆が言うのもよく分る


その上綺麗だし

そこらへんのモデルより綺麗なんじゃないかと思う


いや、弟ながらマジで


対して俺は昔から何をやっても普通だった

勉強も並、運動も並、料理も裁縫も人並み


顔も平凡だし、身長なんか……悲しいかな平均以下



そのせいか、俺に対しての周りの目はいつも厳しかった


学校での先生の態度も

周りの近所の態度も


何から何まで

皐月兄と比較するんだ


俺は俺なのに



でも、そんな俺に普通に接してくれたのが京兄だった


俺を俺として見てくれた、初めての人だった



でも、その京兄も今はもう皐月兄のもの


俺が邪魔なんて出来ない


出来る隙なんて無いんだ



大好きな大好きな皐月兄


でも

それ以上に愛してる京兄


だから、そんな2人を見ていたくなくて、俺は今2人と別の学校へ通っている


その学校は少し遠いから、皐月兄の事も皆知らない

皆、俺を俺として見てくれる


今になっては、そこが

一番安心出来る場所なんだ



「あっ!やばい今日日直だった!っんぐ……ご馳走さま!」

「頑張れよー、ひなぁ。」

「いってらっしゃい。」


嘘、日直なんて

俺は毎朝、何かと言い訳にしては早く出て行く


だって、2人を見ているのが辛いんだ


皐月兄に、嫉妬しちゃうんだ


でも、したくないから

大好きな皐月兄を嫉妬したく無いから、なるべく見ないようにする


愛しそうに見つめる2人を





 

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