その永遠に涙した
02
静かなリビングには、ご飯を作る音が響いていた
いい匂い……
「ひな、おはよう。」
「おはよう、皐月兄。」
「ご飯そろそろ出来るから用意してくれる?」
「ん。」
たった今、キッチンからひょっこり顔を出してきたのは俺の兄貴、紫藤皐月
皐月兄は毎朝の料理当番なんだ
俺達兄弟は幼い頃に両親を事故で亡くした
その後伯父さんに引き取られたんだけど、今は別居中
伯父さんは有名な大企業の社長様で、会社を外国に展開する為に社長自ら外国に出張……いや、滞在中?
まぁそんな訳で、伯父さんの用意してくれたマンションに兄貴と2人暮らし
男2人だけど、俺も兄貴も家事全般は出来るからたいして困る事は無い
しいていえば、最近俺は半ば1人暮らしのような生活を送っていること
理由は一つ
兄貴が恋人の家に泊まってるから
恋人といっても相手は男
兄貴はれっきとした同性愛者だ
さっき俺を姫抱きしてた京兄こと葛城京がその相手
明るくって犬っぽくて、もう1人の兄貴的存在
そして
俺が世界で一番愛してる人
でも、これは秘密
今の関係を壊したくない
俺は、皐月兄も京兄も大好きだから
今のままで
絶対に、叶うことのない恋のままで
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