そしてまた、恋をする
04
「衣緒は何科?」
俺達はホールに入り、席に座って時間まで喋っていた
「芸術科。」
「へぇー!何やってるの?」
「写真とか絵とか…。」
「ねぇねぇっ!今度僕にも見せて貰えないかな?見てみたいなっ、衣緒の作品!」
「気が向いたら…ね。」
「うん!待ってる!」
いつもなら嫌だって答えてるのに、何故か凛には言えなかった
なんでだろ…
なんかあれだ
なんてゆーか、純粋に見たいて言ってるからだと思う
今までの奴等は、バカにしたりっていう下心がみえみえだった
なんか…凛って癒しかも
「そういう凛は何科?」
「僕?僕は進学科だよ。親が煩くてさー。」
「頭良いんだ?」
「自慢じゃないけどこれでも学年3位ですー。」
口を膨らませて言う凛に俺はつい可愛いくて笑った
「///いっ衣緒って可愛いよね!」
「は?可愛いっていうのは凛みたいなのだろ?」
俺が可愛いとか有り得ない
それもその筈、さっきから周りがうざったい
文句あるなら言えばいーのに
「衣緒は可愛いよ!笑顔が凄い似合ってるよ!ね、笑って?衣緒。」
「ごめん…笑い方分んないんだ。」
きっとこれでまた離れていく
変な奴だと思われて…
「ごめん無理言って。じゃあさ、一緒に笑い方思い出そうよ!衣緒には笑顔が似合ってる!…なんてお節介だよね?」
ごめんと、凛は少し俯いた
笑い方なんて覚えて無い…
さっきのは只のまぐれ
それでも良いと思ってた
でも本当は、このままじゃいけないって分かってた
『笑顔が似合ってるよ!』
昔…母さんにも同じ事言われたっけ
『衣緒には笑顔が一番ね!』
俺ももう一度笑えるのかな…?
「ううん。ありがとう…凛。俺…こんな事言われたの初めてだよ…。皆…知ったら遠ざかっていったから…。」
「そんな人達と友達にならなくて正解だよ!…ねぇ、僕達は…友達だよね?」
「うん。友達だよ、凛。」
笑いたい…
凛ともっと笑って話しがしてみたい
本当はもっともっと、仲間達と笑ったり騒いだりしたいんだ
まだ…変われるよね?
凛……ありがとう
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