そしてまた、恋をする
14
「キャーーーーーー!!!!!」
ほんと、よくやるよなぁ
晩ご飯を食べ始めて10分くらい経った時、食堂に物凄く大きな奇声が響いた
所謂黄色い声ってやつだ
まぁ、ここは男子校だから黄土色の声の方がピッタリかもしれないけど
「あ〜……最悪。」
「生徒会、来ちゃった……ね。」
「普段はこんな時間には来ないはずなんだけどな。」
俺が嫌そうな顔をして言うと、凜は苦笑いで、祐馬は険しい顔でそう言った
普段は来る事無い、ね
予想が外れてくれる事を願うけど……まぁ無理だろうな
足音とかなんか段々近付いてきちゃってるし
「久し振りだね、会いたかったよ……衣緒。」
足音が止んだと思ったら、後ろからふわりと抱き付かれた
はぁ、面倒臭い
凜と祐馬を見ると、引きつった笑みを浮かべていた
「離して貰えますか、慧先輩。」
「んー、だーめ。」
あぁ、全くこの人は……
さっきからずっと周りの視線が痛いんですけど
はぁ……被害者は俺のはずなのに、親衛隊の皆さんは俺を加害者に脳内変換するんだろうね
全くもって迷惑な事だ
「ちょっと慧先輩〜、狡いっすよー。俺も衣緒に触りたいのにー。」
お前はまずその口を塞いでくれ
更に周りの視線が(以外略
チラッと後ろを振り返ると、染めたにも関わらず綺麗な茶髪が目に入った
ピアスは勿論の事、制服もかなり着崩して、所謂今時の男の子って感じだ
「衣緒おっひさー♪」
ニコッと太陽のような笑顔で手をひらひらと振りながら言った
今ので確実に親衛隊が倒れたな、うん
それもそのはず
「キャーー!!!!瑛里様ああああ!!」
「抱いてくださーい!!!!」
「今僕見て笑った!!!!!」
「何言ってるの!!僕だよ!!!」
とか周りから聞こえてくるから
相変わらず、モテモテだな
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