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そしてまた、恋をする
10
「でもなんで衣緒が?」
「さぁ?」

わざわざ呼ばなくていいのに…
呼び出された理由は想像つくけどさ

コンコン

「浅葱です。」

ガチャッ

「いらっしゃい、入って。」

ふわりと綺麗に笑う長髪美形さん
長い綺麗な薄茶の髪を後ろで一つに結んでいる

「…お久し振りです、飛鳥先輩。」
「久しぶりだな、衣緒。」

後ろで"えー!?どういう事!?"と祐馬が叫んでる
いつもなら煩いとか思うけど、今はそんな事どうでもよかった

「言いたい事…分るよな?」
「勝手に居なくなってすみませんでした。」
「この一年、何処で何していたんだ?俺がどんな気持ちでっっ。」

先輩はいつになく不安そうな顔をしていた

でも言えないよ

あの時の俺は、何もかも絶望的で
あなたに…甘えてしまいそうだった
あなたは甘えればいいと言うだろうけど、それは駄目だから…
あなたを傷付けてしまいそうで…

「それは……。」
「それから衣緒。視力は悪く無かったはずだ。何故眼鏡を?」
「これはまぁ、一種の人払いです。」
「そうか……。」

沈黙が流れる

空気…重い

突然パンッと髪の長い人が手を叩いた

「ほら、空気重い重い!取り敢えず皆座って。お茶淹れてくるから。飛鳥も衣緒君もそんな暗くなんないの。もっと他に言う事あるでしょう?」

"手伝います。"と幸が言って髪の長い先輩と幸は部屋の奥へ消えていった

他に…言うこと…

「そうだったな…。悪い、少し焦りすぎた。……おかえり、衣緒。」

飛鳥は優しい笑みを浮かべてそう言った


「…ただいま…飛鳥。」






 

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あきゅろす。
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