レンアイメイキュウ
君の誕生日の日に
「お疲れ様でーす!」
「お疲れー!」
「煌夜君超よかったよー!」
「ははっ、美紀さんの腕ですよ!」
撮影が終わったのか、スタジオに声が響く
「紫空!どうだった?ちゃんと見てたか?」
「うん。すごくかっこよかったよ!煌夜。」
「へへっ、そっか!」
また笑いを浮かべる
落ち着く…
さっきまで苛々してたのに、すごく落ち着いてきた
恐るべし煌夜パワー
なんて
「そういえば煌夜君!その可愛い子誰?彼女?すっごく綺麗よねー、モデルか何か?」
「はは、違いますよ。こいつは俺の友達。それに、女じゃなくて男ですよ。」
スタッフさんの1人が俺の事を聞いてきた
すかさず煌夜が口を開く
友達……
煌夜の…
嬉しい……かも
「うっそ、男の子!?見えないわぁ!すっごく綺麗な子ねー!あ、失礼よね、見えないとか…。でも!これは褒め言葉だからね!ニコッ」
褒め言葉…?
まぁ、言われ慣れてるからいいけど
にしても、美人な人だな
笑うと益々綺麗だ
こういう人こそ、綺麗という言葉が似合う
「いえ。平気です。」
「あ、そうそう煌夜君!次のドラマ頑張ってねー!主演でしょ?それじゃ、私はこの辺で!楽しみにしてるわよー!」
ひらひらと手を振ってどこかへ行ってしまった
「沢山喋る人だね…」
「ははっ。まぁ、悪気はないんだよ、あの人。悪いな、紫空。」
「ううん。気にしてないから。」
「でもいい人だよ。俺の次のドラマを『期待してる』じゃなくて『楽しみにしてる』って言ってくれた。…期待されるとプレッシャーがかなりかかるからな。」
その気持ち…分る
期待されると、完璧に仕上げなきゃいけないって思って逆に出来なくなる
楽しみにされると、楽しんでもらえたら嬉しいっていう気持ちが前に出て、いいモノができる
これは俺の経験上から思う事
「じゃ、紫空!行くか!市川車頼む。」
そう煌夜が言うと、市川さんは駐車場の方へと向かった
「俺達も行くぞ!」
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