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レンアイメイキュウ
君の誕生日の日に
「えっと…これください。」

寒い日が続く秋。
1人の少年が、今年もこの日に花屋に現われた

買うのは毎年小さなサボテン

「今年もこの日が来た…。……家帰ろう。」

買った袋をさげて、街中を歩く

その少年は、白い肌にくりっとした緑の目。薄茶の肩まである髪。
一見美少女にも見えるこの少年の名は、神凪紫空(カンナ シキ)。


「ヒューー!可愛いじゃんっ!ねぇ彼女、一緒に遊ばない?」

いつの時代のナンパの仕方だよ、アホ。
その前に俺は男だ!

「悪いけど、俺男だから。」

そう言って立ち去ろうとする俺の腕を3人いた内の1人が掴んだ。

「まじでっ!?全っ然男に見えねぇ…。へぇー!」

そいつの視線が上から下へと動く

「離してください。」

「嫌だね。男でも可愛いけりゃいいしっ!」

男はぐいっと力をいれる。

俺も男だが、腕力は平均以下だ。
普通の男に勝てるわけがない。あきらかだった

「離せっ!離せょっ!!」

じたばたを暴れる俺。

こんなとこで掴まってたまるかよっ!
くそっ!!

その時、サングラスをかけた長身の男が割って入ってきた。

「嫌がってんだろ?やめろよ。」

サングラスをしてても分かる存在感。圧倒的なオーラ。
モデル並の長身。
顔はサングラスのせいでよく分からないが、その放つオーラから、只者じゃないと分かる。

「なんだてめぇ。邪魔すんなよ!」

男の拳が空を切る

危ないっ!!

パシッ

「ばーか。鍛え足りないんじゃねぇ?力弱すぎ。さっさと行けよ、目障りだ。」

助けてくれた奴から殺気が放たれる。

ナンパしてきた男達は、怯んだ顔を見せ

「ふ…ふんっ!いっ行くぞ!」

助かった…

「ぁり「大丈夫だったか?」…ゥン。」

紫空が「ありがとう」と言う前に、そいつが口を開いた。

さっきと雰囲気違うな…
今はなんだか…

あったかい

「あの…ありがとうございました。」

「ん?いいっていいって!あーゆうの見ると助けたくなるんだよ、なんてゆーか。」

悪戯っぽく笑う

そうだ、お礼……

「あの…何かお礼を…。」

「お礼?別に気にしなくていいけど…あ!」


決まったのか…?

「家一人暮らしか?」

「は?…まぁ、一応。」

いきなり何言い出すんだ?こいつ

「じゃぁ、今日の夕飯作ってくれねぇ?俺も一人暮らしなんだけど、中々うまくいかねーんだわ、これが。」

うまくいかないって…料理がか?

「まぁ…用事もないですし、いいですけど。」

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あきゅろす。
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