Second Love
01
「ずっと会いたかったんだよ?もっと嬉しそうな顔してくれないの?」
俺は玄関前の廊下で千颯とバッタリ会ってしまった後、千颯に強制連行され千颯の家へ来た
温かい紅茶が入ったマグを二つもちキッチンからやってくる千颯
一方俺はソファに座り、黙って俯いたままだった
「ふぅ……、ねぇなな?何で泣いていたの?」
「!!」
「気付いて無いと思ってた?クスクス、ななは可愛いね。」
なんて言いながら妖しい笑みを浮かべている
あぁ、この顔は何か企んでる顔だ
千颯が何かを企んでいる時は、ろくな事が無い
それより、その妖しい笑みを今すぐやめてほしい
その思いで今は一杯だった
「……なな、その原因は、アイツ?」
笑みが一瞬にして顔から消え、ドス黒いオーラを纏い、いつもじゃありえないくらい低い声を出して千颯は言った
マズい
千颯が怒ってる
怒って欲しい気持ちと、怒って欲しくない気持ちが交差する
ハハッ、別れるって決めたのは自分なのに……いざとなったら心が苦しい
いつの間にかアイツを守ろうとしてる俺がいる
本当に、情けない
自分が
「ち、違う!アイツは関係無いから!」
あぁ、なんて愚かなんだろうか
悲しい思いをして、精神的にボロボロにされた相手を庇うなんて
これが、愛してしまった見返りなのだろうか?
「なな、嘘はいけないよ。」
にっこりと、顔は笑っているが声は全く笑っていない
ヤバイ……!
怒らした!?
何故こんなにも千颯の怒りに敏感なのかって?
元々、千颯とは幼馴染みだった
仲が良くて、いつも一緒に居た
でも中学1年のある日突然、俺の友達の1人が俺に言ってきた
『もう、友達じゃないから。』
俺は唖然としたよ
何故突然言ったのか
何故今なのか
何かした記憶は無かった
それ故驚きが大きかった
理由を聞いても答えてくれない
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