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Second Love
02

俺は溢れ出る涙を拭った


きちんとした顔で行く為に

せめて、最後は笑えるように




俺は襖に手をかけると、勢い良く開けた


二つの視線が俺を捕らえる



もっと焦ると思ってた

意外に、冷静なんだな、俺

そんな事を心の中で思いながら、一歩踏み入った



「あっあぁ!い…つきぃっ、ひと…がっ、あああぁぁ!」


俺が入ってきたにも関わらず、やまない行為


ああ、反吐が出る



「何。」



そう一言だけ囁かれた言葉


言葉には少なからず怒りが感じとられた



クスッ


俺は不思議と笑みが零れた



「ね、斎。何やってるの?」


「あ?見て分かんだろ。」


その会話中も、行為が止む事は無く、組み敷かれている男の子の喘ぎと淫猥な音が耳に入ってきていた


「うん、今正に浮気中って感じだよね。いや、俺とは恋人じゃ無かったのかも?そしたら浮気じゃないね。」

「何言ってんだ?お前とは付き合ってんだろ。」



あぁ、なんてアナタは残酷なんだろう


俺はにっこりと微笑んだ



「そう。じゃあ別れよ。」


そう言った途端、ピタリと行為がとまった


可愛い男の子は羞恥で顔を赤くしながらも、不思議そうな顔をしていた



「別れるだと?別れる訳ねぇだろ。」

「なんで?別れるっていったら別れるよ。あぁキミ、邪魔してごめんね?」

「おい虹夜!」



名前なんて呼ばないで


さっきまでその子に愛を囁いていた声で、名前なんて呼ばないで



「これ、返すよ。」



斎から貰った携帯と、斎の家の合鍵


携帯は目の前で折った


俺は本気だよ






「さよなら。」


「待っ!」



部屋を出て玄関を出る


自分の家なのに、そうじゃない気分



愛してた


本気で愛してたんだよ、斎







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あきゅろす。
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